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誰も待ってなかった「某ロボット生命体」パチモン最新作!『トランスモーファー メカ・ビースト』は14年ぶりに“WAR WAR”する便乗SF映画

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ライター:#知的風ハット
誰も待ってなかった「某ロボット生命体」パチモン最新作!『トランスモーファー メカ・ビースト』は14年ぶりに“WAR WAR”する便乗SF映画
『トランスモーファー メカ・ビースト』DVD
価格:¥5,280 (税込)
発売:ニューセレクト株式会社
© 2023 Acme Holding Company, LLC
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細かいことは気にしない! ドサクサ設定改変

まずこのシリーズ、悪役の設定が絶妙にはっきりしていない。1作目では<実はロボットではなく、部分的に有機体を備えたエイリアン・サイボーグと機械兵器が地球人を突然攻撃>、2作目では<実はやっぱり大昔からあらゆるデジタル機器に仕込まれていたという、変形殺人ロボットが破壊工作を開始(後に本隊が襲来)>、3作目では<ナノボット技術で誕生したという動物ロボットが大暴れ>と、ギリギリ筋は通らなくもないにせよ毎回、侵略軍が丸ごと別物に変化しているかのようなイメチェンを図っている。

『トランスモーファー メカ・ビースト』© 2023 Acme Holding Company, LLC

また、本作のオープニングでは1作目および2作目のあらすじがおさらいされるのだが、その中にもドサクサに紛れてさらっと新設定・新用語がねじ込まれていたり、微妙に過去作と話が違っていたりする。とにかく整合性も何もあったものではないが、この『トランスモーファー』シリーズの内容をいちいち細かく記憶している視聴者の方が少数派だと思われるため、そこは問題にならないだろう。

『トランスモーファー メカ・ビースト』© 2023 Acme Holding Company, LLC

造形のクオリティは過去作から大幅アップ!

さて所感だが、とりあえず、見てくれのクオリティーは上がっている。初代『トランスモーファー』と比べると、登場するロボットの造形美が雲泥の差。四足歩行で動くライオン・ロボットの動きがぎこちなかったり、マシンの細かい変形シークエンスを謎のエフェクトでごまかしていたり、登場機体のバリエーションの少なさには物足りなさを覚えるが、過去作品の弱点だった<ぱっと見の安っぽさ>は劇的に改善されている。この点は素直に評価すべきだろう。また、「かつて倒した敵(1作目)の旧式ロボットを使って、新型の脅威に立ち向かう」という王道展開も嫌いではない。

『トランスモーファー メカ・ビースト』© 2023 Acme Holding Company, LLC

一方、ストーリーのとっつきにくさとテンポの悪さは、一作目と同レベル。視聴者を置いてきぼりにする専門用語の数々と、群像劇めいた作りが合わさり、話がなかなか頭に入ってこない。この点は、まだ前作『トランスモーファー リターンズ』の方が比較的よくできていた部分だ(ただし『リターンズ』は話がわかりやすい代わりに展開が行き当たりばったりで、投げっぱなしの伏線が多いという問題を抱えている)。

最終的な視聴感は1作目と大差ないかもしれないが、それでも色々進化しているだけ上出来ではあるだろう。

『トランスモーファー メカ・ビースト』© 2023 Acme Holding Company, LLC

文:知的風ハット

『トランスモーファー メカ・ビースト』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年2月放送

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『トランスモーファー メカ・ビースト』

宇宙から飛来した機械生命体と人類の戦いが、300年にわたって続く西暦2324年。人類は殺人ロボット“Zボット”の封印に成功するが、敵は新兵器“Qボット”を送り込んでくる。それは、電子機器に侵入してライオン型ロボット“メカ・ビースト”に変身させてしまう、恐怖のナノ兵器だった!

監督:マイケル・スー
出演:トム・アーノルド マシュー・ガデムスク ジーナ・アレクサンドラ

制作年: 2023