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真田広之&ドニー・イェン“参戦の理由”に胸熱! 上映時間の80%がアクション!?『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は“奇跡の対決”満載の天下一武道会【後編】

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ライター:#ギンティ小林
真田広之&ドニー・イェン“参戦の理由”に胸熱! 上映時間の80%がアクション!?『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は“奇跡の対決”満載の天下一武道会【後編】
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
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ドニーVS真田、しかもソードバトルという夢のカード

そしてアクション映画ファンは、ドニー・イェンの参戦にも狂喜しているだろう。『ジョン・ウィック』に多大な影響を与えた最重要人物が、遂に合流したのだ。どういうことかと言うと、ドニーは『SPL/狼よ静かに死ね』(2005年)と『導火線 FLASH POINT』(2007年)という二本の主演作で、その後の格闘アクションの流れを変えたのである。

彼は、それまでは打撃系がメインだった香港映画のカンフー・ファイトに総合格闘技や柔術の関節技を豪快にトッピング。その結果、のちのアクション映画の格闘シーンでは関節技を導入することがトレンドとなった。当時、スタントマン兼アクション監督だったチャド・スタエルスキやスタントチーム<87イレブン>のクルーたちは、何度も何度も『導火線』を鑑賞し、てドニーが確立した関節技入りアクションを研究したという。

つまり、ドニー・イェンがいなければ「ジョン・ウィック」シリーズが柔術を導入することがなかったかもしれない。それくらい『ジョン・ウィック』に多大な影響を与えた、最重要人物といっても過言ではない。

そんなドニーを『ジョン・ウィック』の世界に迎え入れるため、チャド監督は彼にも最高の役を用意した。かつてはジョン・ウィック、シマヅ・コウジと義兄弟であったが、今はジョンの命を狙うことになってしまった最強の殺し屋ケイン。この設定だけでも胸熱なのに、チャド監督はケイン役をさらに最高なキャラクターにするため、彼が大好きな勝新太郎の『座頭市』シリーズからインスピレーションを得て、仕込み杖を携えた盲目の殺し屋という設定にしている。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』メイキング ®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

というわけで、ドニーは仕込み杖とハンドガン(シグザウエル P365)を駆使したガン・フーを披露。それだけではない。ドニー・イェン、真田広之の競演という奇跡を実現させたチャド監督は、ドニーVS真田(しかもソードバトル!)という夢のようなカードも見せてくれる。このベストバウトを観るだけでも、本作の鑑賞料金を払う価値があります!

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

アクションファン感涙! スコット・アドキンス&マルコ・サロールの競演

チャド監督はドニー、真田というリビングレジェンドだけでなく、今後の格闘アクション界を担うであろう俳優にも召集をかけている。スコット・アドキンスマルコ・サロールだ。

イギリス出身で少年時代に格闘技に目覚めたスコット・アドキンスは空手、テコンドー、柔道、キックボクシングを習得しただけでなく、アクロバティックな回転技を自由自在に繰り出すトリッキーな格闘スタイルに定評があるアクション俳優。主演作は『NINJA』(2009年)シリーズ、『ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録』(2012年)、脚本も担当した『アクシデントマン』(2018年)など、格闘アクション映画ファンなら見て損のない作品ばかり。

主演作以外では、チャドがアクション監督を担当した『エクスペンダブルズ2』(2012年)のクライマックスで、ジェイソン・ステイサムと1対1の格闘戦を展開。チャドの相棒デヴィッド・リーチがアクション監督を務めた『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)ではライアン・レイノルズが黒歴史ギャグにしているデッドプールのスタントダブルを担当し、アクロバティックなアクションを披露。『イップ・マン 完結』(2019年)ではイップ・マン(ドニー・イェン)にとって劇中で最強の敵となる空手使いの米兵役に抜擢されている。

そんな彼は本作では、特殊メイクによって豊満なボディの殺し屋キーラを熱演。劇中、その体からは想像もできないクイックかつ身軽な技を次々と繰り出してジョン・ウィックを苦しめていく姿は必見だ。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

そして、チリ出身でテコンドー、キックボクシング、柔道、合気道、松濤館空手、詠春拳を習得したマルコ・サロールもアクロバティックな技に定評がある実力者。ハートウォームな自警団ヒーロー映画『ミラージュ』(2007年)、処刑人ムービー『ザ・リディーマー』(2014年)などの主演作を日本でも観ることができる。

彼はロバート・ロドリゲス監督作品の常連アクターでもあり、『マチェーテ・キルズ』(2013年)、『アリータ:バトル・エンジェル』(2019年)などの映画に出演するだけでなく、ロドリゲスが監督したデミ・ロヴァート「コンフィデント」のミュージックビデオにも出演し、共演のミシェル・ロドリゲスと激しい格闘戦を披露してくれている。

 

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アドキンス&サロールがよく分かるオススメ作品

そんなマルコ・サロールとスコット・アドキンスの出演作で最もプッシュしたいのが、二人の共演作で『デッドロック』シリーズの第3作、『Undisputed III: Redemption』(2010年:原題)。前作『デッドロックⅡ』(2006年)に登場した悪役のロシア人格闘家ボイカ(アドキンス)が人気を博したことにより、主役となった本作で彼は世界中の刑務所から集められた凶悪犯が集う地下格闘技大会に出場する。サロールはボイカのライバルとなる、シャバではコロンビア麻薬カルテルの殺し屋だった囚人を演じ、壮絶なファイトを展開。個人的には2010年代の格闘アクション映画史に殿堂入りする名勝負だと思うので、機会があったらぜひ観てほしい!

と、アドキンスとマルコの偉業を紹介させていただいたが、正直な話、この二人は格闘アクションに興味がある方以外にはほぼ認知されていない存在なんですよ……。アクション映画業界が『エクスペンダブルズ』の主役チームが現役感満載で活躍している今日この頃なので、なかなか二人にチャンスが回ってきていない気がして……。たまにメジャー映画に出演しても、あまり大きな役をもらえてないし……。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

そんな二人が今回、『ジョン・ウィック』の世界に参戦して、キアヌ相手にイキイキと暴れている姿をスクリーンで拝めた時は思わず目頭が熱くなってしまいました。二人とも類まれなアクション・スキルのオーナーなので、本作への出演をキッカケにぜひ大きく羽ばたいてほしい、と心から願っている次第。そんなわけで彼らの存在を知らなかった方も本作以降は、二人の行く末を温かく見守り続けるハートのオーナーになってくれますように!

 

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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた……。

監督:チャド・スタエルスキ
脚本:シェイ・ハッテン マイケル・フィンチ

出演:キアヌ・リーブス
    ドニー・イェン 真田広之
    ビル・スカルスガルド ローレンス・フィッシュバーン
    シャミア・アンダーソン ランス・レディック リナ・サワヤマ
    スコット・アドキンス イアン・マクシェーン

制作年: 2023