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稲垣吾郎主演『半世界』は男たちの男たちによる、男たちのための映画!?バカ全開の男の友情

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ライター:#BANGER!!! 編集部
稲垣吾郎主演『半世界』は男たちの男たちによる、男たちのための映画!?バカ全開の男の友情
『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS
39歳。誰もが思い描いた通りの人生を送っているわけではない。2019年2月15日(金)公開『半世界』では、人生に行き詰まり、日々をやりすごしている不器用な男の姿が描かれる。稲垣の役者としての新たな魅力が開花!

“男くささ”あふれるビターなヒューマンストーリー

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

海と山に囲まれた美しい景色が広がる地方都市を舞台に、家業を継ぐも稼ぎが少なく、家族との関係も冷めきっている紘(稲垣吾郎)の人生を描いた本作。幼なじみで元自衛官の瑛介(長谷川博己)が突然帰郷し、同じく幼なじみでムードメーカーの光彦(渋川清彦)も加わって中学時代のように再びつるむ3人だったが、自衛官時代に心に傷を負った瑛介と接するうち、絋も自分自身と向き合うようになる。

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

冗談を言ったりヤジを飛ばしたり。39歳になっても中学生のように笑い合う3人の関係性は尊く、バカ全開の男の友情はどこか愛おしい。そんな風に変わらない関係が描かれる一方、大人になって変わってしまったそれぞれの想いも対比として浮かびあがり、物語にほろ苦さをプラスする。焦りや葛藤を抱えながらもうまく言葉にできない不器用さ。家族にも友達にも甘えられない男たちの弱さ。そんな繊細さが光る阪本監督のオリジナル脚本は、男性から高い共感を呼ぶはずだ。

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

正直、女性の観客は絋の妻・初乃(池脇千鶴)のようにそっと男たちの姿を見守ることしかできないのだが、なぜか置いてきぼり感を感じさせず、次第に彼らを応援したくなるのも魅力的な俳優陣の巧だろう。

これ吾郎ちゃんだよね? な期待を裏切る変貌ぶり

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

無神経で自己中心的な行動が目立つ絋は、妻子からしたらかなり“イヤな男”だ。炭焼き職人ゆえ衣服は常にボロボロで、口悪く横柄にしゃべる姿は普段の上品な稲垣の人柄からは真逆に思える。「この役よく引き受けたなぁ」と感じる人も多いだろうが、ご存じの通りここ数年、人生イロイロ・人世の酸いも甘いも経験した彼は、アイドルとしての“らしさ”を微塵も感じさせず、やさぐれたオッサンを見事に演じきっている。内から滲み出る甲斐性のなさも、だけどどこか憎めず仲間から慕われる姿も、ミステリアスで表情の引き出しの多い稲垣にはむしろハマり役だったように思う。

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

そんな稲垣と好相性の演技を見せた初乃役の池脇千鶴もさすがだ。理不尽な夫の言動に耐え、隠れて煙草をふかす姿。苛立ちを募らせセックスをせまる姿。どんなシーンをとっても圧巻の存在感を放ち、監督も称賛するように38歳のくたびれた、だけど色気を秘めた妻を熱演している。池脇の存在が稲垣の人間くささをより引き出しており、彼女の役者としての内助の功っぷりには思わず拍手を送りたくなる。

驚きの結末……あなたはどう受け止める?

『半世界』©2018「半世界」FILM PARTNERS

物語は終盤で、想像もしなかった急展開を迎える。賛否両論ありそうなストーリー展開ではあるが、登場人物それぞれが現実を受け止め前に進む姿は、きっと人生のエールとして多くの観客に温かく受け入れられるだろう。派手さはないが、昔ながらの日本映画らしい、静かで美しい感動をくれる作品だ。

『半世界』は2019年2月15日(金)より全国公開。

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『半世界』

とある地方都市。高村紘とその妻、初乃、息子の明の家族は、父から受け継いだ山中の炭焼き窯で備長炭を製炭することを生業としている。旧友の沖山瑛介がある日町へ帰ってきた。どうやら妻子と別れ故郷に戻ってきた様子。紘は、同じく同級生の岩井光彦にも声を掛け、十数年ぶりに3人で酒を酌み交わす。
海外での派遣活動で瑛介が心の傷を負ったのでは? それが妻子と別れ、故郷に戻ってきた原因ではないかと感じる紘と光彦だが、どうすることもできない。紘の息子は反抗期で、イジメも受けている様子だが、紘はそれに頓着していない。
紘は、過去から脱却できずにいた仕事のない瑛介を巻き込んで一念発起。炭材をチェーンソーで伐採し、枝打ちし、短く切断する。窯に火を入れ、炭を掻き出しては灰を掛け、それを何度も繰り返す。出来た炭を段ボールに詰め営業し、顧客開拓を目指す。
感じたことのない張り合いを感じ始めた紘。そんな父を見る明にも、変化が現れかけ、何もかも順調に向かい始めているように見えていた。

制作年: 2018
監督:
出演: