【日本映画】10月30~31日公開の注目5作!柳楽優弥がよみがえらせた『竜二』、“本土の日本人”が直視するべき「沖縄」を映し出すドキュメンタリーなど【2026 新作 おすすめ】
【2026年10月30日(金)~31日(土)公開の日本映画5選】
🎬️『RYUJI 竜二』
1983年に公開された映画『竜二』。
主演・脚本を務めた金子正次の生き様と、当時の時代の空気が鮮烈に重なり合い、大きな反響を呼んだ。しかし公開からわずか8日後、金子は逝去。『竜二』は、そのあまりにも劇的な背景とともに、日本映画史に語り継がれる伝説となった。
そして公開から43年。
あの『竜二』が、現代を生きる人々の感情とリアリティをまとい、新たな物語として生まれ変わる。
主人公・竜二を演じるのは、唯一無二の存在感と圧倒的な演技力を誇る柳楽優弥。竜二を愛し、家族を守ろうとする芯の強い女性・まり子役に川栄李奈。竜二を「兄貴」と慕う舎弟コンビ・直役に萩原利久、ひろし役にJUNONが名を連ねる。 さらに、竜二の兄弟分・柴田を三宅健、親分・新田を伊藤英明、竜二に恨みを募らせる宮内をRYUKI、その兄貴分の白井を千原ジュニアが演じ、個性豊かな俳優陣が新たな『竜二』の世界を鮮烈に彩る。
監督を務めるのは、人間の弱さや葛藤、その先にある再生を繊細かつ力強く描いてきた水田伸生。
昭和から平成へと移りゆく時代を背景に、過去を捨て、愛する家族と生きようとするひとりの男の生き様を描き出す。
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🎬️『見上げてごらん』
巨匠マンガ家のアシスタントを長年務める42歳の土屋輝一。
マンガ家デビューした後輩や、別居中の人気声優の妻にモヤモヤし、
一緒に暮らす高校受験を控えた娘ともなぜか気持ちがすれ違ってばかり。
そんなとき、あるマンガ企画が舞い込む。
一緒に臨むのは、仕事への熱量不足を自覚する29歳編集者・潮田ユキと
マンガ家を志す猪突猛進な40歳新人アシスタントの山田ぽてと。
踏み出したその先に、彼らが見出す未来とは…。
俳優・森田剛を主演に迎えて贈る、是枝裕和監督率いる映像制作集団「分福」の新鋭、森本晶一(初監督・原案・脚本)&佐藤快磨(『泣く子はいねぇが』(20))のダブル監督による映画『見上げてごらん』。それは、マンガづくりに携わる迷えるオトナたちの、ちょっと痛くて、ふっと笑える物語。
マンガ家になる夢を抱いてこの世界に入って来たはずが、気づけば20年近くアシスタントを続けている土屋輝一(森田剛)。家に帰れば家事も手慣れた父親だが、“夢を叶えた人”への嫉妬から“こじらせ感情”が漏れ出すと面倒クサイ男になったりする。賞味期限は過ぎた夢だが捨てることもできぬまま、でも日常の些細なあれこれと誠実に向き合って生きる土屋という人間の可笑しみや切なさを、その演技力あってこそ可能な自然体で森田剛が体現した。
本作は、助監督という仕事を長く続けた森本監督が自身の経験から着想を得た物語。このままでいいのだろうかと摸索しながら今を生きる者たちの姿を、人間の可笑しみや日常の愛おしさととも軽やかに描き出す。「何者にもならなくたっていい。肩肘張らなくたっていいんだ。」と思えてくる映画が誕生した
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🎬️『月影のゴールデン街』
狭くて急な階段の先にある、小さな特別席――
《昭和》《平成》《令和》
マスターと愛すべき酔っ払いたちが過ごした35年の物語
舞台は、戦後の混乱期から昭和、平成、そして令和へと姿を変えながら、いつも、夢を抱えた者、夢に敗れた者、それでも今を生きる者たちが夜ごと集まってきた、新宿ゴールデン街。
映画監督を夢見て大阪から上京した若者・ギンジが迷い込んだ小さなスナック「スイカズラ」。 店のマスターや常連客たちと出会った一夜からはじまる35年の物語は、ひとりの青年の成長だけでなく “街に生きた人々の時間”を記録する。
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🎬️『京都ALS患者嘱託殺人事件』
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う林優里さん(当時51歳)から依頼され薬物を投与し殺害したとして、2020年7月、二人の医師が逮捕された。
一人暮らしの彼女は事件当時、眼球しか動かせず、痰吸引や胃ろうからの食事、排せつなど24時間の介助が必要だった。主犯の大久保愉一と接触したのは、彼女が“安楽死”を望む言葉を度々投稿していたSNS。大久保らは事前に報酬として130万円を受け取り、初対面からわずか15分程度で殺害を実行した。
さらに捜査で過去の殺人事件への関与も浮上。メディアは大久保の過去のブログなどから「ドクター・キリコ」への憧れや生命軽視の姿勢を大々的に報じ、〈狂った医者〉〈優生思想の殺人鬼〉と苛烈に非難。世間もまたそれに同調し責め立てた。
そして25年、嘱託殺人罪などで懲役18年の刑が確定した。
監督は、「和歌山毒物カレー事件」に挑んだ『マミー』(24)で自らの闇をも曝け出し鮮烈な印象を残した二村真弘。優里さんの父親、SNS上での彼女を知る元看護師や難病当事者、医療とケアの専門家たちへの取材を重ね、彼女の人生を掘り下げていく。そのなかで見えてきた制度の未熟さ。明らかになる外界から完全に遮断されるかもしれない恐怖、そして、身体が訴え続ける生への渇望。一方で二村は、大久保の半生を辿るべく、母親やかつての医師仲間を訪ねる。さらに供述分析を独自に実施し、大久保が収監される大阪拘置所へ――。
「死にたい」、その言葉の奥にあるもの。ひとりの女性の声が受け止められない社会の空白地帯で、死の直前まで続いた二人だけのやり取り。私たちが目を背け続けている何かが、未公開のDMとそれぞれが語る“事実”から浮かび上がってくる。
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🎬️『私がまだ知らない沖縄』
沖縄――美しい海や亜熱帯の森などの豊かな自然、温暖な気候、琉球王国時代から引き継がれてきた独自の文化・風習を持つ島々は、戦争で20万人以上の犠牲者を出し、戦後も日本国内にある70%の米軍基地を抱え、県民所得が全国最下位、3人に1人の子どもが貧困状態にある。戦後81年、本土復帰54年が経った今、沖縄では何が起こり、そこに暮らす人々は何を見つめ、どんな問題と向き合っているのか。
海兵隊の友人がPTSDになるのを目の当たりにした青年。小学校に米軍機が墜落した事故が再び起こることを恐れ、オスプレイ配備に反対する元教師。辺野古の基地反対運動にまつわるデマを聞き、初めて現地を訪れる学生。観光業に依存した地元の経済構造を懸念する市議会議員。米国地質調査団の助手として参加した調査が軍事利用されたことを後に知り、贖罪の念を抱き続けてきた女性――。
本作では、10代から80代までの市井の人々の多角的な語りの集積から、沖縄の重層的な実像を浮かび上がらせる。
『私がまだ知らない沖縄』© rude news films 2026
大袈裟太郎という芸名でも知られる監督の猪股東吾は、2016年、高江のヘリパッド建設に反対する市民を機動隊が強制的に排除する映像にショックを受け、現地に駆け付けたのを機に沖縄へ移住した。現地の実態が本土のメディアでほとんど報道されず、SNSで誤った情報が流布されていることを知り、それまで無関心だった自身の責任に向き合おうという思いからジャーナリスト活動を開始。高江や辺野古をはじめとする基地問題、オスプレイの墜落事故、米兵による犯罪事件、水質汚染などの基地公害を取材、発信してきた。
取材を続ける中で、沖縄が抱える様々な問題の根幹には日本という国、「本土」側の無関心と構造的差別があることを実感。“やまとんちゅ(本土出身者)”という立場から、沖縄の人たちが普段の生活の中で上げる声を聴き、一過性のメディアではない映画として記録することで、その当事者性を問い直したいと考え、初監督となる本作を4年がかりで制作した。
是か非か、賛成か反対かといった二項対立的な思考では片づけられない現実。そうした「複雑さ」や「割り切れなさ」と向き合い、その背景にある歴史や問題の本質を探っていくことは、沖縄について、さらには日本について考える一歩となるだろう。あなたがまだ知らない沖縄。それを知ることは、あなた自身を知ることにもつながるはずだ。