『アメリカン・アイドル』出場者が終身刑に
音楽牧師として夢を語った男は、妻を殺害し、現場を偽装したと認定された。法廷で明かされたのは、約2年に及ぶ不倫と、事件直前のメッセージだった。
日本でも放送されたオーディション番組『アメリカン・アイドル』。そのシーズン12に出場したカレブ・フリン被告に、米オハイオ州の裁判所は10月5日、仮釈放なしの終身刑を言い渡した。妻アシュリーさんを殺害した加重殺人などの罪である。
事件のあらまし
事件が起きたのは2026年2月、オハイオ州ティップシティの自宅。アシュリーさんは銃で撃たれて亡くなり、当時、2人の娘は隣の部屋にいたと報じられている。被告は警察に「侵入者が押し入って妻を撃った」と説明していた。
検察側の主張は正反対だった。被告が妻を殺害したうえで、外部の犯行に見えるよう現場を偽装したというものだ。陪審は9月29日、有罪の評決を出した。Hollywood Lifeによれば、評議は約2時間だったという。
法廷で語られた不倫
公判では、被告の元不倫相手の女性が証言台に立った。報道によれば、2人の関係は約2年続き、事件の直前、被告は彼女に「自由になった」という趣旨のメッセージを送っていたとされる。
「私は妻を殺していない」
量刑言い渡しの場で、判事は被告の行為を「欺瞞と操作と残酷さが幾重にも重なったもの」と表現し、「あなたの結婚は、妻アシュリーさんの残忍で計画的な殺害で終わる必要はなかった」と述べた。銃器の使用と証拠隠滅3件についての刑が上乗せされるため、終身刑の前に16年分の刑期が付く。
被告は家族を傷つけた判断について謝罪しながらも、「私の最終的な裁き主である神の前に立って言う。私は妻を殺していない」と無実を主張した。弁護人は控訴する方針だ。
アシュリーさんの両親は、被告を赦すとしたうえで最大限の刑を求めた。娘の1人は書面で、父親に真実を語るよう訴えたという。
番組での姿
被告は番組でハリウッド・ウィークまで進んだが、出演はごく短かった。当時は音楽牧師と名乗り、音楽の道を広げたいと話していた。
なお、有罪となった訴因の数は報道によって書き方が異なるため、本稿では「加重殺人などで有罪」とするにとどめる。