“国民が望んだ戦争”は、こうして作られる…愛国プロパガンダを記録した衝撃作『プーチンの愛国教室』本編映像
ロシアを蝕む「愛国プロパガンダ」の実態
ウクライナ侵攻後からロシアの教育現場で行われている愛国教育の全貌を暴き出し、本年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞するなど世界中で大きな話題を呼んでいる衝撃のドキュメンタリー映画『プーチンの愛国教室』が、10月3日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中だ。
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
ロシア・ウラル山脈の麓の小さな田舎町にあるカラバシュ初等・中等学校。パヴェル・タランキンは、母校でもあるここでイベントを企画し記録する撮影担当教員として勤務していた。しかし2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、彼らの日常は一変する――
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
国家が市民を扇動し、急速的に戦時下へと突き進んでいくなか、教育現場を侵食していく愛国プロパガンダの実態が、当事者の視点からかつてないほど鮮明に映し出されていく。ロシア学校教育の現状を世界に告発するため、タランキンが国外のアメリカ人ドキュメンタリー作家デヴィッド・ボレンスタインと共同で極秘裏に制作した、魂の一作だ。
このたび、勤務先の学校で進む愛国プロパガンダに抵抗を続ける教員が、苦しい胸の内を吐露する様子を捉えた本編映像が公開された。
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
「岩はますます深く沈み込み、一般の人々の心と魂に食い込んでいる」
ロシア政府は愛国教育を進める一方で、“祖国の裏切り者たち”を厳しく取り締まる法整備も加速していた。この映像の冒頭では、2023年4月に国家反逆罪の法改正を行い、ジャーナリストが実刑判決を受けたことについてのTV報道が紹介される。
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
タランキンは愛国プロパガンダが浸透していく学校の様子を撮影し、映像を国外に秘密裏に送り始めていた。そして、学校や町の雰囲気が変わっていく中で、誰にも言えない本音をカメラの前で吐露するようになる。 当初のことを「危険を感じず面白かった。ゲームみたいでね」と振り返りつつ、「みんながカメラを気にするようになったんだ。信頼関係が崩れた」などと困惑の表情を浮かべながら独白する。
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
彼は現状に対してささやかな抵抗を試みる一方で、身近な人達との関係までも変わってしまったことを悲しみを持って受け止めていた。本作では、彼のこうした心の動きも丁寧に捉えていく。
『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.
タランキンは、本作への想いを「私にとって、この映画は自分の身の回りで起きていることを世界に伝える手段になりました。いつかこの映画が、ロシアの人々が過去を振り返り、自らの過ちと向き合い、このようなことを二度と起こさないようにするための助けになるかもしれません。しかし、岩はますます深く沈み込み、一般の人々の心と魂に食い込んでいっています」と語っている。
『プーチンの愛国教室』は10月3日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中
『プーチンの愛国教室』
ロシアの田舎町の学校に撮影担当教員として勤めるタランキンは、子どもたちから“頼れるお兄さん”として慕われる人気者。愛用のビデオカメラで子どもたちの成長を日々記録していたが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に、彼らの日常は一変する。プーチン大統領の教育令により、学校は子どもたちに戦争参加を使命として教え込み、訓練する「愛国教育」の場へと変貌していく。逆らう者は<国家の敵>とみなされる絶対的な命令のもと葛藤する教師たち、たちまち戦時教育に染まっていく子どもたち、そして次々と戦地へ送られる卒業生たち・・・その全てを、タランキンのカメラは記録していく。
監督:デヴィッド・ボレンスタイン、パヴェル・タランキン
| 制作年: | 2025 |
|---|
2026年10月3日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中