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劇場アニメ『縁の手紙』矢吹奈子の声が、差出人のいない手紙をひらく

劇場アニメ『縁の手紙』矢吹奈子の声が、差出人のいない手紙をひらく
©CoMix Wave Films

※ 本ページはプロモーションを含みます。
※本記事の情報は2026年9月25日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

劇場アニメ『縁の手紙』韓国アニメーション映画の繊細さと、矢吹奈子が吹き込んだ少女ソリの声

『縁の手紙』とは、転校生の少女ソリが差出人不明の手紙に導かれていく韓国発の劇場アニメーションで、日本語吹替版の主演を矢吹奈子が務め、2026年9月25日に全国公開されました。『君の名は。』のコミックス・ウェーブ・フィルムが初めて海外作品として配給を決めた一本です。

『君の名は。』のスタジオが、初めて海の向こうから選んだ一本

コミックス・ウェーブ・フィルムという名前を聞いて、ぴんとくる人は多いと思います。新海誠監督の作品を世に送り出してきたスタジオです。あの光の描き方、空の色、風景の中に感情を沈めていく手つき。日本のアニメーション映画が「絵で心を語る」ことを世界に示してきた場所だと私は思っています。

そのスタジオが、初めて海外のアニメーションを配給します。しかも166の国と地域で展開するという規模で。選ばれたのが、韓国のキム・ヨンファン監督による『縁の手紙』でした。

正直に言うと、最初にこのニュースを見たとき、私は少し身構えました。新海作品を扱ってきた会社が自分たちの看板を預けるのだから、よほどのものでなければ筋が通らない。その「よほど」が何なのか、確かめたくなったのです。

原作はチョ・ヒョナがLINEマンガで描いた作品です。縦にスクロールして読む形式のマンガから、97分の劇場アニメーションへ。第26回プチョン国際アニメーション映画祭では3部門を受賞しています。韓国のアニメーションが、韓国の映画祭で評価され、日本のスタジオの手で世界へ運ばれる。この経路そのものが、いま映画の周りで起きていることを物語っているように思えました。

差出人のいない手紙が、転校生の少女を連れていく

物語の出発点はとても小さいです。転校してきた少女ソリのもとに、差出人の分からない手紙が届く。彼女はその手紙に導かれて歩き出す。公式に語られているのはここまでで、ここから先は書きません。書かないほうがいい種類の映画だからです。

「手紙」というモチーフには、映画にしかできないことがあります。メッセージは一瞬で届きますが、手紙は時間を運びます。誰かが書いた時間と、誰かが読む時間のあいだにある隙間。その隙間に、ソリの足取りが重なっていく。差出人が分からないということは、宛先である自分が何者なのかを問われるということでもあって、転校生という設定はそこに効いてきます。知らない街で、まだ誰にも名前を呼ばれていない少女が、名前のない手紙を受け取る。この対称性だけで、私は劇場の座席に深く沈み込みました。

韓国のアニメーションが持つ手触りについても書いておきたいです。日本のアニメーション映画とは違う間の取り方があります。台詞と台詞のあいだに、風や紙の音が入ってくる。派手な見せ場で押し切るのではなく、小さな動作を丁寧に積み上げていく。『ルックバック』を観て、誰かの背中を見つめる時間が好きになった人には、この呼吸がきっと合います。『君の名は。』で、届かないものが届く瞬間に泣いた人にも。

矢吹奈子の声は、なぜソリに似合うのか

日本語吹替版でソリを演じるのは矢吹奈子です。HKT48で子どもの頃からステージに立ち、IZ*ONEのメンバーとして韓国で活動した人が、アニメーション映画の主演に初めて挑みました。相手役のドンスンは小野賢章が務めています。

私は矢吹奈子という人の声を、ずっと「幼い」と思っていました。IZ*ONEの楽曲の中で、彼女のパートが来ると空気が一段やわらかくなる。あの声が、ソリという少女に重なると聞いたとき、これは配役として正しい、と直感しました。

実際に劇場で聴いて、直感は少し裏切られました。いい意味で、です。幼いのではなく、透明なのだと分かったからです。ソリは多くを語らない少女で、その少ない言葉に感情の温度を乗せなければならない。矢吹奈子の声は、大きく張るのではなく、静かに揺れます。手紙を読む場面の呼吸の乱れ方、誰かの名前を呼ぶときの半拍の遅れ。声優としての技術というより、彼女自身が韓国で過ごした時間の記憶が、ソリの心細さに染み出しているように私には聴こえました。

主題歌「Your Letter – Japanese Ver.」も彼女が歌っています。しかも日本語の訳詞まで自身で手がけました。IZ*ONE以来、5年ぶりに韓国のスタジオでマイクに向かった歌です。エンドロールでこの歌が流れたとき、ソリの物語と矢吹奈子自身の物語が、一枚の便箋の裏表みたいに重なりました。

その5年ぶりのレコーディングと、アフレコの現場に密着したのが、U-NEXT独占のドキュメンタリー「Behind the Voice ~矢吹奈子と『縁の手紙』~」です。9月17日から配信されていて、映画を観る前でも後でも、彼女の声がどう生まれたかを追体験できます。

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「縁」という言葉を、韓国アニメで観るということ

タイトルの「縁」という漢字を、私は何度も眺めました。日本語では「えん」、ゆかりや巡り合わせのこと。手紙が結ぶのは、送り手と受け手の縁です。転校生のソリにとって、この街との縁はまだ細い糸のようなもので、一通の手紙がその糸を手繰り寄せていく。

韓国のアニメーションを、日本の観客が日本語吹替で観る。そこにもう一つの縁があります。原作者、監督、韓国のスタッフ、日本の配給会社、そして韓国で活動した経験を持つ日本人の主演。ひとつの映画が国境を越えるとき、こんなにも多くの人の手を経由するのだと、クレジットを眺めながら思いました。コミックス・ウェーブ・フィルムが「初の海外配給」に選んだ理由は、きっとこの映画そのものが手紙のようだったからです。届けるべき相手が、海の向こうにいると分かっていた。

97分という長さも、絶妙に思えます。長すぎず、短すぎず、手紙を一通読み終えるくらいの時間。上映が終わって席を立つとき、私は自分の鞄の中に何か届いていないか、無意識に確かめていました。

この映画を観るべきなのは、こんな人

まず、『君の名は。』で「会えない誰か」に泣いた人です。届かないはずのものが届く瞬間の切なさは、この映画にも流れています。それから『ルックバック』のように、大声で泣かせにこない映画を信頼している人。『縁の手紙』は感情を煽らず、静かに置いていくタイプの作品です。

そして、なこを推してきた人。HKT48の頃から、IZ*ONEの頃から、あの声を聴いてきた人にとって、この映画は「矢吹奈子が声だけで97分間そこにいる」という初めての体験になります。顔が見えない分、声の輪郭がくっきりと浮かびます。彼女のことを知らなかった人が劇場で声に惹かれて、後から名前を調べる。そんな出会い方も、この映画には似合っています。

韓国のアニメーションに触れたことがない人にも、入口として勧めたいです。難しさはありません。転校生の少女と、一通の手紙。それだけを胸に劇場へ行けば十分です。

映画は劇場で。そして、その声がどこから来たのかを知りたくなったら、U-NEXTへ。「Behind the Voice ~矢吹奈子と『縁の手紙』~」はU-NEXT独占の見放題で、初回31日間無料(初回登録の方が対象)です。手紙を読み終えたあとに、差出人に会いに行くような気持ちで観てください。

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※2026年9月25日時点の情報です。最新の配信状況・料金は各公式サイトでご確認ください。

文:BANGER!!!編集部

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