日本映画として初の快挙!映画『ネルソンさん、』ベネチアで〈金の小獅子賞〉受賞の〈大きな意義〉とは
話題沸騰『ネルソンさん、』ベネチアで日本映画“初”の快挙
第83回ベネチア国際映画祭において、塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が、日本映画として初めて「金の小獅子賞(Leoncino d’oro)」を受賞した。絶賛劇場公開中の本作は、18歳で米海兵隊に入隊しベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンさんの実体験と、帰国後の葛藤を描いた作品だ。
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners
若い世代の審査員たちの視点によって選出される「金の小獅子賞」。審査員を務めるイタリア全20州から選ばれた18歳の高校生たちは、それぞれ異なる映像言語やアプローチを通じて、「戦争、トラウマ、暴力、そして責任」という現代社会の極めて重いテーマに正面から向き合った本作を高く評価している。
また審査員団は「これまでの戦争に共通して蔓延してきた“無謀な暴力(reckless violence)”の姿を鮮明に描き出している」として、その鋭い描写を称賛した。
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』全国公開中
公式サイト
「戦争に行けば、誰であれ恐ろしい行為に手を染めることになる」
仏AFPは記者会見での、「時代や国境を越え、人が戦争に行けばどの国の出身であれ恐ろしい体験をし、恐ろしい行為に手を染めることになるという事実を描きたかった」という塚本監督のコメントを紹介。「この映画を見た若い世代が、本能的に実際の戦場へ行くことを拒絶するようになってほしい」と語ったことを伝えた。
塚本晋也監督 『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners
なお、同映画祭ではガザ地区を捉えたドキュメンタリー映画『NAZA(原題)』が、同映画祭史上最長となる25分間のスタンディングオベーションを受け、ユニセフの選出する「Segnalazione Cinema for UNICEF(ユニセフ映画推薦賞)」を獲得したことも併せて報じられている。
金の小獅子賞やユニセフ賞には、映画という表現手法を単なる鑑賞物にとどめず、「対話や議論、教育、そして社会参加のための重要な空間」として活用するという確固たる目的がある。
今年度のベネチア国際映画祭におけるこの結果は、これからの未来を担う新しい世代に、国際的な舞台で具体的な発言の機会と「声」を与えるという、賞が持つ本来の使命と理念を改めて証明するものとなった。『ネルソンさん、』の受賞はその一つの象徴であり、“若者たちが選んだ”という事実こそが日本に、そして世界に向けた強力な平和へのメッセージとなるはずだ。
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