バラエティー番組『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の「結婚式の旅」で密着された様子が“涙が止まらない実話”として日本中の共感を呼んだ遠藤和(のどか)さん。当時21歳でステージIVの大腸がんと宣告され、24歳で亡くなった彼女の手記「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」を原作にした映画が10月2日(金)より全国公開される。
その公開に先駆けて、9月7日(月)にお披露目試写会が行われ、主演を務める川口春奈、高杉真宙ら、そして山戸結希監督ら豪華キャスト・監督陣総勢12名が登壇。公開を約1ヶ月後に控える中、撮影時のリアルな裏話や作品への並々ならぬ思い、実話ならではの絆や家族の愛についてたっぷりと語り合ったほか、役作りでの思わぬエピソードなどが明かされた。
トークセッションでは、作品や撮影現場でのエピソードについて深く掘り下げられた。公開を約1ヶ月後に控え、お客様を前にする初めてのイベントを迎えた心境について、主人公・遠藤和役を演じた主演の川口は「この作品が届くことがすごく嬉しいですし、どう受け取っていただけるのか緊張している部分もあります。撮影からこの1年、本当に様々な思いがあったので、今はまず観ていただけること、ここまで来られたことに感謝の気持ちでいっぱいです」と感無量の面持ち。
元々、テレビ番組で話を知っていたという川口は、オファーを受けた当時を振り返り「映画化にあたり原作や(和さんの)映像を改めて拝見したり、監督の思いや『この映画を作る意義』みたいなものにすごく共鳴したので、私の体で和さんの生き様を表現できたらという思いでやらせていただきました」と明かした。
高杉真宙
和を献身的に支える夫・将一役を演じた高杉は「川口さんは全ての時間が一番大変な役どころだと思うんですけれど、僕らキャスト・スタッフ全員で最大級のフォローをしようと思っていました。でもそんなことは関係なく、川口さんご自身が多くの方に気を配って撮影されている姿を見て、僕らも『そんな川口さんと一緒に素敵な作品を撮りたい』という気持ちで撮影させていただきました」と語り、2人の強い絆をうかがわせた。
実在の夫妻を演じる中での変化や影響について尋ねられると、川口は「和さんご自身、そしてご夫婦・ご家族がすごく悩んで、様々な決断に迫られて選択していき、覚悟を持って生き抜いていくという強さに勇気づけられました。家族のパワーを改めて感じて自分も勇気をもらいましたし、自分自身を見つめ直すきっかけをくれたというのも大きかったです」と語り、高杉も「『共有している時間』と『共有していない時間』の違いについて気づかせていただいたなと思っています。流れている時間は一緒の中で、『大切な時間』と『一緒にいられないけれど想う時間』というのを改めて考えていこうと思いました」と真摯に明かした。
小林聡美 デビット伊東
両親を演じた小林聡美とデビット伊東に「役との向き合い方」について質問が飛ぶと、小林は「(実際の)ご家族が本当にチームワークがよく、生きている印象が強くて。こういう家族に応援されながら最後まで命を輝かせた和さんは幸せだったんじゃないかなと思って、そういう家族を描ければいいなと『チームの一員』として参加させていただきました」と回想。デビットは「『今の自分にこの役ができるのかな』とすごく悩んで何回も降りようと思いました。でもキャストのみんな、スタッフの皆さんに会った時に『セリフがなくてもこの家族のそばにいよう』と思いました」と涙ながらに告白。川口も「(親の)愛だなと、言葉がなくても存在で守ってくれているような気持ちになりました」と感謝を口にした。
作品を作る際の演出や込めた思いについて山戸監督は、「『映画は人が生きていくためにある』ということを一緒に信じてくださる皆さんと映画制作をさせていただける喜びを感じていました。映画館を出た後の人生のためにこの映画があるという、そんな未来があることを願っています。それこそが志半ばで人生を終えられた遠藤和さんの命に対する最も誠実な応答であると信じています。本日はお1人お1人に映画を受け取っていただけることを嬉しく思っております」と静かに熱く語った。
さらに、山戸監督の演出で印象に残っているシーンを尋ねられた川口は「全部ですね。ドキュメンタリーを撮られていて、気づいたら撮られているみたいな気持ちに毎日なっていた気がします」とリアルな撮影現場を振り返り、高杉も「撮影の順番がかなり時系列に近い形だったので、彼女(和)と会ってからの人生をすごく濃く切り取っていただいたなと思っています」と懐かしんだ。
川口春奈 高杉真宙
イベントの最後には、キャストを代表して高杉と川口からメッセージが送られた。高杉は「僕にとって本当にすごく大切な作品になりました。『愛を伝える』というのはすごく簡単なことだと思うんですけど、なかなか行動に移せなかったりする中で、和さんはその愛を形にして届けられて、僕らが受け取って届けさせていただく機会をいただいたことは素晴らしいことだと思います。届いた愛が改めて和さんのご家族や娘さんに届くことを願っております」と挨拶。
川口は「のんちゃん(和さんの愛称)の生き様、人生、そして覚悟を見届けていただきたいですし、そこを尊重し献身的にサポートして愛情で包み込んだ本当に素晴らしいご家族のお話だと思っています。ぜひ最後まで観ていただけたら嬉しく思います」と力強く呼びかけ、会場全体から鳴り止まない盛大な拍手が送られた。
©遠藤和/小学館 ©2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会
『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は10月2日(金)全国公開