※本記事の情報は2026年9月時点のものです。最新情報はU-NEXT公式サイトにてご確認ください。
※本ページはプロモーションを含みます。
「幼い頃、親に売られた人間だから……」
その言葉を口にしたのは、87歳の女性だった。
『ハートフルワールド』第9話「三重・渡鹿野島編」は、“売春島”という強烈な呼び名から始まり、最後には一人の女性が生きてきた長い人生へとたどり着く。舞台は三重県志摩市の渡鹿野島。現在の姿からは想像しにくいが、かつてこの島では風俗産業が大きな存在となっていた。江戸時代には船乗りを相手にした遊郭が栄え、昭和から平成にかけては四国や九州などから多くの女性がやってきた。
島で女性たちは「ホステス」と呼ばれ、その数は約200人にのぼったという。しかし時代は変わった。2000年頃から島は“浄化”へと舵を切り、かつての風俗産業は衰退。伊勢志摩サミットや新型コロナ禍などを経て、売春は島から姿を消した。それでも、過去まで消えたわけではない。島を歩けば、廃墟となった旅館やスナックが残っている。そして何より、全盛期の渡鹿野島を実際に生きた人たちが今も暮らしている。
ディレクターが一人、カメラを持って島へ入っていく。そこで出会うのは、かつてホステスとして働いていた女性や、“置屋の子”として生まれ、現在は旅館を経営する男性。島について話を聞こうとするが、当然ながら簡単に取材できるような場所ではない。そして1カ月間通い詰めた末、ようやく重い口を開いてくれた一人の女性と出会う。
87歳。かつて島のヌード劇場で踊り子として働いていた女性だった。彼女の口から出てくるのが、自分は幼い頃に親に売られたという壮絶な過去だ。
「死んでも親だと思ってない」
短い言葉だが、その背後にどれほどの時間が積み重なっているのか。彼女が「昔どう生きていたか」だけではなく、「今どう生きているのか」までカメラは追っていく。そんな彼女には現在、毎週のように通っている場所がある。なぜそこへ通っているのか。そこで誰と会っているのか。そして、壮絶な人生を歩いてきた彼女が現在大切にしているものとは何なのか。
『ハートフルワールド』©︎CBCテレビ