暴力NG「コージー・ミステリー」の始祖!アガサ・クリスティが生んだ素人おばあちゃん探偵『ミス・マープル』映画4作が一挙TV放送
素人おばあちゃん探偵「ミス・マープル」が愛され続ける理由
ミステリーの女王アガサ・クリスティー作品のなかでも、エルキュール・ポアロと並んで世界中で愛され続けている名探偵といえば、やはり「ミス・マープル」である。
1927年の短編で初登場し、1930年の長編「牧師館の殺人」で本格的にデビューした彼女は、イギリスの静かな田舎町セント・メアリ・ミード村に暮らす老嬢だ。警察官でも私立探偵でもない“素人探偵”が、なぜこれほどまでに時代を超えて人々を魅了し続けているのだろうか。
『ミス・マープル/寄宿舎の殺人』© MCMLXIII by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
ミス・マープルがまとう“無害な老婆”という隠れ蓑が、その大きなヒントになる。編み物をしながら世間話に花を咲かせる姿は、周囲の警戒心を容易に解きほぐす。警察も犯人も、彼女を「ただのお人好しなおばあさん」と高をくくり、すっかり油断してしまうのだ。しかし、その優しげな眼差しのもとには、人間の弱さや嘘を見抜く鋭い観察眼が潜んでいる。
『ミス・マープル/夜行特急の殺人』© MCMLXI by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this Motion Picture Reserved Under International Conventions.
彼女の推理の要となるのは、「人間の本質はどこへ行っても変わらない」という確固たる哲学。彼女にかかれば、都会で起きる複雑な愛憎劇や事件も、田舎の村で起きた日常の出来事や人々の心理パターンと重なり合う。「ミス・マープル」は人間の心理を捉えるこのアプローチによって、過度な暴力描写に頼らない“コージー・ミステリー”の礎を築いたと言われている。
『ミス・マープル/最も卑劣な殺人』© MCMLXIV by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
名探偵ポアロに続け! ハリウッドで新作映画が進行中のウワサ
世代を超えて支持されるミス・マープルだが、いまハリウッドでも新たなプロジェクトが動き出しているようだ。ケネス・ブラナー主演の『名探偵ポアロ』シリーズを手がけた20世紀スタジオは、アガサ・クリスティー財団との提携拡大の一環として、ミス・マープルを主人公にした新作長編映画の製作を進めているとのこと。2024年に同スタジオ社長が明かしたこの計画により、スクリーンの世界でも再び彼女の活躍が見られるかもしれない。
『ミス・マープル/船上の殺人』© MCMLXIV by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
そうした新たな展開への期待が高まるなか、ミス・マープルの魅力を存分に堪能できる傑作選がCS映画専門チャンネル ムービープラスで一挙放送中。今回のラインナップは、イギリスの名女優マーガレット・ラザフォードが主演を務めた1960年代の映画シリーズ全4作だ。クリスティー本人をも魅了したというラザフォードのユーモアあふれる好演とともに、クラシック・ミステリーの真髄をTVで味わおう。
マーガレット・ラザフォード主演!60年代『ミス・マープル』映画が一挙TV放送
🕵️♀️『ミス・マープル/夜行特急の殺人』(1961年)
アガサ・クリスティーの小説「ミス・マープル」シリーズを映画化したミステリー第1作。老嬢の素人探偵が、夜行列車内で起きた殺人事件に挑む。
英国パディントン発の列車に乗った推理小説好きの老嬢ミス・マープルは、追い抜きの特急列車内で女性の絞殺現場を目撃。すぐに車掌や警察に訴えるが、死体が見つからないため信じてもらえない。彼女は列車の走行ルートにあるアカンソープ邸が怪しいと睨み、屋敷にメイドとして潜入する。
『ミス・マープル/夜行特急の殺人』© MCMLXI by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this Motion Picture Reserved Under International Conventions.
🕵️♀️『ミス・マープル/寄宿舎の殺人』(1963年)
「ミス・マープル」シリーズ第2作。ある老人の死に疑問を抱いた老嬢探偵ミス・マープルが事件の謎を解く。
ミス・マープルは寄付を募るため富豪のエンダビー氏を訪ねるが、彼は階段から落ちて死亡してしまう。猫に驚き心臓麻痺を起こしたせいだと思われたが、エンダビー氏の妹コーラが「兄は殺された」と言い出す。ミス・マープルは友人ストリンガーを駆り出して独自調査を開始するが……。
『ミス・マープル/寄宿舎の殺人』© MCMLXIII by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
🕵️♀️『ミス・マープル/最も卑劣な殺人』(1964年)
マーガレット・ラザフォードが“ミス・マープル”を演じるミステリー第3作。元女優殺害事件の陪審員となったミス・マープルが事件の真相に迫る。
元女優のマギンティ夫人が殺害され、彼女の家の下宿人ハロルドが犯人として逮捕された。裁判では誰もがハロルドの有罪を信じていたが、陪審員の中でミス・マープルだけが異論を唱える。マギンティ夫人が誰かを恐喝していたことを突き止めた彼女は、ある劇団に潜入して捜査を開始する。
『ミス・マープル/最も卑劣な殺人』© MCMLXIV by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
🕵️♀️『ミス・マープル/船上の殺人』(1964年)
アガサ・クリスティーが生んだ老嬢探偵“ミス・マープル”が活躍するミステリー第4作。オリジナル脚本で、船上を舞台にした殺人事件の謎解きを描く。
青少年更生センター理事会の委員となったミス・マープルは、委員の1人が死亡する現場に居合わせた。原因は心臓麻痺と診断されたが、彼の嗅ぎタバコに毒が含まれていたことが判明。理事会が所有する訓練船バトルドア号が怪しいと睨んだミス・マープルは単身、船に乗り込んでいく。
『ミス・マープル/船上の殺人』© MCMLXIV by Metro-Goldwyn-Mayer British Studios LTD. All rights in this motion picture reserved under international conventions.
『ミス・マープル/夜行特急の殺人』『ミス・マープル/寄宿舎の殺人』『ミス・マープル/最も卑劣な殺人』『ミス・マープル/船上の殺人』
CS映画専門チャンネル ムービープラス「黄金のベスト・ムービー:ミス・マープル」で2026年9月放送