トンネルを抜けると、そこは恐竜の王国だった…早くも続編決定の衝撃作『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』を徹底予習
“あの快進撃”を追う新鋭監督の意欲作『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』
――この映画を観て、ギャレス・エドワーズ監督の『モンスターズ/地球外生命体』(2010年)を思い出した。ギャレス監督は当時、キャストふたりとクルー数名で撮影用トラックに乗り込み、グアテマラ、ベリーズ、メキシコなど5カ国を移動してゲリラ撮影を敢行。編集のコリン・グーディーがつないだ素材に8ヶ月かけて視覚効果を施した監督は、脚本、撮影、美術、VFXを担当し、わずか1万5千ドル(※当時のレートで約130万円)の製作費で完成させた。
その後は皆さんご存じの通り。特殊効果映像が高く評価されたギャレスは、『GODZILLA ゴジラ』(2014年)への大抜擢を皮切りに、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)、オリジナル作『ザ・クリエイター/創造者』(2023年)、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(2025年)へと、ハリウッドのVFX&モンスター映画界を牽引するトップランナーとなった。
ギャレスの快進撃を追うかのように、オーストラリアの異端児ルーク・スパークが仕掛けた痛快作が『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』だ。この夏、大スクリーンに広がる“ジャングルの奥地”で、観客の予想を裏切る衝撃の展開が幕を開ける。
『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』©SPARKE FILMS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED 2025
“恐竜王国”に迷い込んだ兵士たちの運命は――?
映画化への執念が生んだ『プリミティヴ・ウォー』の魅力
1968年、ベトナム戦争は泥沼化していた。1月に北軍によるテト攻勢が勃発、米軍に暗雲が垂れ込め戦況は大きな転換点を迎えていた。その最中、過酷さが増す激戦地帯で特殊任務を遂行中のグリーンベレー<毒ヘビ部隊>が消息を絶つ。すぐに<ハゲ鷲小隊>が捜索に向かうが、ヘリから降り立った強者たちが目にしたのは、無残に仕留められた兵隊たちの姿だった。
何か秘密が隠されている――殺戮の現場を目撃した隊員たちは、司令に疑問を抱きながらも眼前のトンネルを突き進んでいく。暗がりの中で何者かの影が忍び寄る。その刹那、全身が羽毛で覆われたユタラプトルの群れが襲いかかる。いったい何が起こっているのか? 銃をぶっ放し、命からがらトンネルを抜けると、そこは恐竜の王国だった……!
『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』©SPARKE FILMS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED 2025
ベトナム戦争下のジャングルに突如として現れた恐竜の群れに、米軍の特殊部隊が立ち向かう。コミック版「プリミティヴ・ウォー」を目にしたスパーク監督は狂喜した。これこそ自分がやるべき題材だと確信し、原作者のイーサン・ベッタスから映画化の快諾を得るや、大スケールで映像化するためにL.A.に飛んだ。
だが、ハリウッドの映画人からは「恐竜映画ならスピルバーグに任せておけばいい」(つまりお金は出せない)と突き放される。そこで監督は“だったら自分でやってやる”とばかりに、『プラトゥーン』(1986年)、『プライベート・ライアン』(1998年)で知られる軍事アドバイザー、デイル・ダイの助言を受け、原作者と協働で脚本を書き上げる。
さらに製作、編集、美術を兼務すると決め、母国オーストラリアで撮影に臨んだ監督は、軍事顧問フレディ・ジョー・ファーンズワースを招き、戦場のリアリティを徹底的に追求。唯一無二の快作に仕上げてみせた。
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全方位から襲いかかる恐竜!ベトナム戦を歌った名曲群!
“最大の疑問”から浮かび上がる“もうひとつの面白さ”とは
本作の最大の見所は、陸・川・空、360度全方位から襲いかかる最凶の捕食者たちの獰猛な姿だ。陸の王者ティラノサウルス、執拗に飛びかかるユタラプトルの群れ、植物食で温厚だが侵略者には逆襲するトリケラトプス、超弩級の巨竜ドレッドノータス……。
そして湿地帯には背の帆が特徴の肉食恐竜スピノサウルスとワニのように待ち伏せるスコミムス、空中からは翼竜ケツァルコアトルスが襲いかかる。史上空前の恐竜たちを前に、わずか7名の特殊部隊はどう立ち向かうのか!?
『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』©SPARKE FILMS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED 2025
監督がこだわったのは軍事的なディティールだけではない。出撃シーンを中心に、ジョン・フォガティ率いるCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)によるメッセージソング「フォーチュネイト・サン」、「ジャングルを越えて」、スペンサー・デイヴィス・グループの「愛しておくれ」、チャンバーズ・ブラザーズが歌う変革のアンセム「タイム・ハズ・カム・トゥデイ」など、ベトナム戦争を歌った名曲が俄然、戦闘モードを盛り上げる。
極めつけとなるのは、“最大の疑問”である。なぜ恐竜がここにいるのか。そして、冷戦時代の最大規模の軍事衝突ベトナム戦争とは、一体どんな戦争だったのか――。この二つの問いが解かれたとき、本作に秘められた“もうひとつの面白さ”が浮かび上がる。
批評家よりも観客から熱烈に支持された『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』は、スパーク監督によって続編製作も進んでいる。当初は二の足を踏んだハリウッドも参画し、よりスケールアップしてスクリーンに登場すること間違いなしだろう。
もちろん恐竜たちも進化し、特殊部隊にはさらなる過酷なミッションが課せられるはず。ギャレス・エドワーズに続く新鋭ルーク・スパークが、一体どんな飛躍を見せるてくれるのか、今後の展開にも乞うご期待だ。
🦖💥#ルーク・スパーク 監督から
日本の皆さんへ、熱いメッセージ到着🦖💥「ハロー、恐竜ファンの皆さん!
『プリミティヴ・ウォー #恐竜戦争』監督のルーク・スパークです。日本でいよいよ公開!… pic.twitter.com/ApX0MCvbYM
— 映画『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』公式 (@primitivewar_jp) August 3, 2026
文:髙橋直樹
『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』は8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほか公開
『プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争』
1968年、激戦のベトナム戦争最中、
密林で特殊任務に就いた米軍グリーンベレーの精鋭からなる
〈毒ヘビ部隊〉が消息を絶った。
その捜索を命じられ現地に赴いた米軍〈ハゲワシ小隊〉は、
密林の奥で突如恐竜の大群に遭遇。
それは、人類史上初となる――
恐竜との全面戦争 の始まりだった。
監督・脚本・製作・編集・美術:ルーク・スパーク
原作:イーサン・ペッタス
出演:ライアン・クワンテン トリシア・ヘルファー ニック・ウェクスラー ジェレミー・ピヴェン ほか
| 制作年: | 2025 |
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2026年8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほか公開