自身初の映画化作品『告白』が大ヒットを記録した作家・湊かなえ。デビュー10周年に発表し、彼女の集大成と評された渾身の傑作ミステリー「未来」が、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久が映画化。映画『未来』が、5月8日(金)より公開される。
このたび、シンガーソングライターUruの「さすらいの唄」が、本作のイメージソングに決定。“優しき祈りの歌声”が映画『未来』と共鳴し、登場人物それぞれが抱える「大切な人を守りたい」という切なる願いと、それぞれの愛のかたちを情感豊かに映し出したファイナル予告映像が解禁となった。
原作者・湊かなえも涙するほどの、渾身の映画化
主演の黒島結菜を筆頭に、圧倒的な存在感を放つ新鋭・山﨑七海、さらには坂東龍汰、細田佳央太、近藤華ら次世代の実力派たち。そして、彼らを支える松坂桃李、北川景子という日本映画界屈指の豪華布陣が集結。湊かなえ史上「最も過酷」な世界観のもと、それぞれが魂をぶつけ合うアンサンブルは、圧巻の一言。描かれるのは、単なるミステリーを超えた、“大切な人を必死に守ろうとする者たちの愛”に溢れた、救いの物語だ。
複雑な家庭環境で育ちながらも、教師になる夢を叶えた真唯子(黒島結菜)は、父を亡くしたばかりの教え子・章子のことを気にかけていた。そんな中、章子のもとに「未来のわたし」から一通の手紙が届く。最初はとても信じられなかった章子だったが、未来の自分へ返事を書き続けることで、最愛の父・良太(松坂桃李)を亡くした悲しみや、心を閉ざした母・文乃(北川景子)との孤独な日々を耐え忍ぶようになる。しかし、章子を取り巻く状況は次第に厳しさを増していく。母の新しい恋人からの暴力、学校でのいじめ――度重なる試練に追い込まれた章子は、家庭にも学校にも居場所を見つけられなくなっていく。そしてついに、ある恐ろしい計画へと踏み出す。章子は、父が隠していた秘密に辿り着き、父が遺した少年と少女の壮絶な物語を知ることに——。
「さすらいの唄」は、Uruが作詞・作曲を手掛け、今年2月に発売された最新アルバム『tone』に収録されている情緒的なバラード。本楽曲が、物語の持つ根幹に通ずるものとして、映画サイドのオファーを受けてイメージソングに決定した。
イメージソング「さすらいの唄」に乗せて描かれるこの映像は、教師・真唯子(黒島結菜)が、教え子の章子(山﨑七海)へ「ポプラの花言葉は“勇気”。あなたもお母さんもきっと大丈夫だから」と、慈愛に満ちた言葉で寄り添うシーンから始まる。
章子に届いた、20年後の「未来のわたし」からの手紙——それをきっかけに、彼女を取り巻く環境は無情にも過酷さを増していく。愛する父・良太(松坂桃李)の死、学校での凄惨ないじめ、母・文乃(北川景子)の新しい恋人から振るわれる理不尽な暴力。悲劇の連鎖に絡み取られ、「この世界は狂っています」と慟哭する章子の姿が、観る者の胸を強く締め付ける。唯一の友人・亜里沙と過ごすつかの間の安らぎさえも、忍び寄る恐怖と隣り合わせだ。
そんな章子を守るため、母・文乃は「逃げよう」と決断し、娘の手を取り夜の街を駆け抜ける。さらに、真唯子もまた彼女を救おうと必死に奔走し、「あなたに会いに来たの!」と叫ぶ。母の決断、真唯子の切なる願い、亡き父・良太が生前に書き残した物語に託したもの――それぞれの想いが、切実に交錯していく。
やがて映し出されるのは、「抱きとめたい。痛みも。孤独も。」という言葉。誰かの苦しみに手を差し伸べたいと願う、その切実な祈りが胸に迫る。そして、「未来の私へ― 私は笑っていますか?」という章子のあまりにも切ない問いかけ。過酷な運命に翻弄されながらも、真唯子の必死の疾走や、良太が遺した物語に託した想いが、狂った世界にかすかな「希望の光」を灯していく。
<コメント>
Uru
イメージソングにしていただけたことを光栄に思いながら、私も作品と原作を拝見、拝読させていただきました。
息苦しくなるような胸の痛みを感じながら、自然に一つの願いが心に浮かんでいました。
きっとこれは、この作品を観た全ての方の心に浮かぶものなのではないかと思います。
全ての子どもたちの明日が、健やかで笑顔あふれるものであって欲しい。
心の叫びに気づき、手を差し伸べる大人が沢山いる世の中であって欲しい。
湊かなえさんがあとがきでおっしゃっていた事を、この作品のタイトルに深く、深く、感じることができました。
「さすらいの唄」の主人公もある種の願いを持っていて、それを作った私もまた願いを持って制作した曲です。
この作品が持つメッセージが、たくさんの方の心に届いてくれることを願っています。
瀬々敬久監督
家路へ向かう夕焼けの空の下を歩いているような雰囲気、そんな情景がまず浮かびました。それでいて「さすらいの唄」。いつもの見慣れた景色なのに、気持ちは常にさすらっている。そういうことなんだろうと想像させる。故郷のような街なのに、どこか遠くを見つめる眼差し。それは、『未来』の中で、いや、湊かなえさんがこれまで何度も小説のモチーフにしてきた、ここではない何処かにある夢の「ドリームランド」に近いものを感じさせてくれました。若い人たちが必ず持つ、変わりたい自分への葛藤。
何もない 何もない
僕はただ 自由なんだよ
どうせなら翼でも生えて
飛び回れたりはしないかな
この歌詞に優れて表現されていて、映画『未来』の青春と重なっていると思いました。
Uruさん、ありがとうございました。
湊かなえ
機動戦士ガンダム「鉄血のオルフェンズ」が好きです。孤児たちの姿に胸が締め付けられる回もありますが、エンディングでUruさんの曲が流れると、心が救われます。Uruさんの歌声に「祈り」を感じるからだと思います。『未来』も苦境にある子どもたちの物語です。イメージソングをUruさんがご担当してくださることを知り、感激しました。「さすらいの唄」は観客の皆さんの「祈り」とリンクし、物語の「救い」につながると信じています。
©2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社
『未来』は5月8日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開