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春に観たい「そっと背中を押してくれる」名作5選!カンヌW受賞のダルデンヌ兄弟最新作『そして彼女たちは』公開記念

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ライター:#BANGER!!! 編集部
春に観たい「そっと背中を押してくれる」名作5選!カンヌW受賞のダルデンヌ兄弟最新作『そして彼女たちは』公開記念
『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve - Archipel 35 - The Reunion - France 2 Cinéma - Be Tv & Orange - Proximus - RTBF (Télévision belge) / Photo©Christine Plenus

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作

これまで2度のカンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で100賞以上を獲得するなど圧倒的な存在感を放ち続けてきたベルギー出身の名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督による最新作『そして彼女たちは』が、3月27日(金)より全国順次公開となる。

『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)

支援施設で共同生活を送る10代の少女たちが、思いがけない妊娠をきっかけに「母になる」という現実、そして家族との関係や経済的困窮と向き合っていく姿を描いた本作。ダルデンヌ兄弟がこれまでの作風を保ちながらも、初めて複数の視点を束ねる群像劇に挑戦し、ベルギー代表としてアカデミー賞国際長編映画賞にも選出された意欲作だ。

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督 Photo:©Christine Plenus

『そして彼女たちは』ほか“節目の季節”に観たい名作5選

まもなく4月、卒業や入学、就職など新たな節目を迎え、環境の変化に期待と不安が入り混じる季節。そんなタイミングだからこそ、観ておきたい映画がある。ということで、「新たなるステージに向けて観たい映画」をテーマに、約20年前の名作から近年の話題作まで“心に寄り添う5作品”を厳選してご紹介。

新しい一歩を踏み出す私たちの背中をそっと後押しし、変わらぬ日常にも小さな光を灯してくれる名作映画を、ぜひこの機会に鑑賞してみては。

『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)

『そして彼女たちは』 3月27日(金)公開

ダルデンヌ兄弟の新境地にして真骨頂! 少女たちの行く道をあたたかな光で照らし出す

若くして妊娠した女性を支援する施設で共に暮らす5人の少女。彼女たちは頼る人を持たず、家族との関係、貧困など様々な問題を抱えている。望まぬ妊娠に戸惑い、悩み、なるべき家族像を見いだせないまま、母になる少女たち。押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになっても、時に誰かに寄り添われながら、それぞれが歩むべき道を選び取っていく……。

『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)

『ロゼッタ』(99)以降、全作品がカンヌ映画祭コンペに出品、2度の最高賞パルムドール受賞、各賞を獲得してきたダルデンヌ兄弟。35年を超えるキャリアで群像劇という新境地に挑んだ本作は、第78回カンヌ映画祭で自身2度目となる脚本賞とエキュメニカル審査員賞のW受賞を果たし、その確かな手腕を改めて示した。

『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)

各国メディアからも「ダルデンヌ兄弟の最高傑作(VARIETY)」「初監督作品のような純真さと予測不可能な展開をあわせもつ(PUBLICO)」と称賛された本作は、自分たちなりの「愛」を選択していく少女たちのまなざしを描いた、これまでにない希望に満ちあふれた傑作に仕上がっている。

『そして彼女たちは』©Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge)

『そして彼女たちは』は3月27日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)

「そのままの自分でいいんだよ」と背中を押してくれるハートフルなロードムービー

アメリカ・ニューメキシコ州。ちょっと風変わりで問題だらけの一家は、それぞれがうまくいかない現実を抱えていた。ある日、末っ子オリーヴが子ども向け美少女コンテスト<リトル・ミス・サンシャイン>への出場権を手に入れる。家族全員でオンボロの黄色いバンに乗り込み、会場のカリフォルニアを目指すことに。しかし道中ではトラブルが続出し、衝突しながらも、それぞれの本音や痛みが少しずつあらわになっていく――。

“勝ち組”思想に固執する父、沈黙を貫く兄、過去に傷を抱えた叔父、自由奔放な祖父、そして無垢に夢を信じるオリーヴ。バラバラだった家族が旅を通して再びつながっていく姿を、ユーモアとほろ苦さを織り交ぜながら描き出す。人生の“負け”や不完全ささえも肯定するまなざしで、多くの観客の心を掴んだ珠玉のロードムービー。第79回アカデミー賞助演男優賞・脚本賞を受賞。

『夜明けのすべて』(2024年)

松村北斗×上白石萌音 W主演! ささやかな、でも確かな繋がりが照らすかけがえのない物語

瀬尾まいこの同名小説を『きみの鳥はうたえる』や『ケイコ 目を澄まして』などで国内外で高い評価を得る三宅唱監督が映画化。月に一度、強いイライラや衝動に襲われるPMS(月経前症候群)を抱える藤沢美紗と、パニック障害によって思うように働けなくなった山添孝俊。小さな会社で出会った二人は、互いの事情に踏み込みすぎることもなく、適度な距離を保ちながら、少しずつ日常を共有していく。恋愛でも友情でもない、不器用で静かな関係のなかで、それぞれが抱える“生きづらさ”は、やがてほんのわずかに軽くなっていく――。

誰かに理解されることの難しさと、それでもなお隣に誰かがいることの確かさ。声高に救いを語るのではなく、日々の小さな積み重ねのなかにある優しさを丁寧にすくい取る。夜明けのすべては、心の不調を抱えながら生きる人々の現実に寄り添い、静かに光を差し込むようなまなざしで描かれた一作。さまざまな国外の映画祭に出品され、日本では第46回ヨコハマ映画祭やキネマ旬報ベストテンで見事1位になるなど高く評価されている一作。

『はじまりのうた』(2013年)

録音スタジオはニューヨークの街角!? 何度観ても元気になれる「はじまり」の物語

アカデミー歌曲賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督が、キーラ・ナイトレイ&マーク・ラファロ共演で描いたハートフルドラマ。物語の舞台はニューヨーク。恋人であり音楽パートナーでもあったデイヴに裏切られ、すべてを失ったシンガーソングライターのグレタ。失意のなかで訪れたライブバーで、かつては敏腕プロデューサーとして名を馳せながらも今は落ちぶれてしまったダンと出会う。偶然の出会いから意気投合した二人は、スタジオを飛び出し、街そのものをレコーディング場所にしてアルバム制作を始めることに――。

雑踏のざわめきや街の音さえも味方につけながら、自分自身の“はじまり”を取り戻していくグレタとダン。それぞれが抱える挫折や後悔を背負いながらも、音楽を通して再び前を向いていく姿を軽やかで温かなタッチで描き出した、人生のリスタートにそっと寄り添う心地よい余韻を残す音楽ドラマだ。日本では2015年に劇場公開され、2025年には10周年を記念してリバイバル上映された。

『レディ・バード』(2017年)

グレタ・ガーウィグが17歳の心情を瑞々しくユーモラスに描く、青春のすべてが凝縮された傑作

『フランシス・ハ』や『20センチュリー・ウーマン』などへの出演で知られるグレタ・ガーウィグがメガホンを執り、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画。自分を“レディバード”と呼ばせる高校生クリスティンは、平凡な日常や保守的な街に息苦しさを感じながら、いつかここではないどこかへ行きたいと願っている。厳しくも愛情深い母との衝突、初めての恋や友情、進路への迷い――揺れ動く感情のなかで、彼女は少しずつ自分自身と向き合っていく。

反発しながらも切り離せない母娘の関係、未熟さゆえの過ちや痛み、そのすべてが“いま”というかけがえのない時間を形づくっていく。思春期の不安定で愛おしい瞬間を、ユーモアとほろ苦さを交えながら鮮やかに描き出す、珠玉の青春映画。第75回ゴールデン・グローブ賞で監督賞など2冠に輝き、第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネート。グレタ・ガーウィグも女性として史上5人目の監督賞候補になった。

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