ムスリムの女性たちは、なぜ100日以上にわたり道路を封鎖し続けたのか?『わたしの聖なるインド』

ムスリムの女性たちは、なぜ100日以上にわたり道路を封鎖し続けたのか?『わたしの聖なるインド』
『わたしの聖なるインド』©2023 Nausheen Khan

2023年「山形国際ドキュメンタリー映画祭」で市民賞(観客賞)を受賞した『我が理想の国』が、タイトルを『わたしの聖なるインド』とあらたにして、6月6日(土)より劇場公開が決定した。このたび、ビジュアルと特報映像が解禁となり、監督からコメントが到着した。

この国は誰のもの?

2019年12月、モディ政権はイスラム教徒を意図的に排除した市民 権改正法(CAA)を制定。イスラム教徒の間で市民権を剥奪される危機感が高まった。法案に対する批判の声が増す中、反対運動の拠点だったジャミア・ミリア・イスラミア大学構内に警察が乱入。無抵抗の学生を襲い、200人もの負傷者と多くの逮捕者を出した。この暴力的な対応と差別的な法案への抗議として、ニューデリー南部のイスラム教徒居住区のシャヒーン・バーグで、大規模な座り込みが始まる。その中心にいたのはムスリムの女性たち。政府与党や賛成派の「反国家主義」「非国民」という非難に対し、政府による宗教差別やデモ鎮圧は「憲法違反」だと主張。日々の暮らしを営みながら、100日以上にわたって幹線道路を封鎖した。この非暴力で平和的な活動は多くの人の共感を呼び、世代、文化、宗教を超えてインド全土に広がった。しかし、デリー議会選挙を機に状況は緊迫。トランプ大統領の訪印に注目が集まる中、警察による強制排除が起こり——。

『わたしの聖なるインド』©2023 Nausheen Khan

政治的にも社会的にも透明化されてきた、イスラム教徒の女性たち。国家を揺るがす歴史的な抵抗運動の軌跡に、自らの解放と変革の物語を重ねたのは、ムスリム女性のノウシーン・ハーン。信仰から距離を置き、社会に溶け込む努力をしてきた彼女が、インドで台頭するヒンドゥー至上主義の実像を暴き、自らの生き方、国のあり方を問い直す。インド国内での上映が困難を極める中、「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023」で市民賞(観客賞)を受賞した意欲作が、ついに日本公開。

この作品が日本で公開されることをとても嬉しく思います。映画で描かれている弾圧への抵抗、正義、自由に対しての信念は、今日の世界で抑圧的な体制と戦うことがますます困難になる中で、頼りになる力だと考えています。皆さまがこの作品に深く共感してくれるのであれば、それは計り知れない希望となるでしょう。
(ノウシーン・ハーン監督)

『わたしの聖なるインド』©2023 Nausheen Khan

『わたしの聖なるインド』は6月6日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開ほか全国公開

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