ついに“完全版”配信『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』ほか新年公開の〈名作リマスター〉4選
ターセム・シン監督の2006年作『落下の王国 4Kデジタルリマスター』が異例のヒットを記録している。この4Kリマスター版は昨年11月21日に43館で公開されると満席回が相次ぎ、興行収入は2億円を突破した(※2025年12月14日時点)。
同じく、昨年10月24日に公開された『もののけ姫』4Kデジタルリマスター盤も、初週は全国61館の上映にもかかわらず公開週の興行収入ランキングで3位にランクイン。反響を受けて全国47都道府県171館にて拡大上映されるなど、大きな話題を集めた。
時代を超えて愛される名作のリマスター上映が大きな注目を集める中、もちろん2026年も注目作品が目白押し。ということで、新年1月から公開・配信されるリマスター作品をピックアップしたので、鑑賞の参考にしていただければ幸いだ。
『ビバリーヒルズ高校白書』© 2026 Torand Productions Inc. All Rights Reserved.
『ビバリーヒルズ高校白書/青春白書』HDリマスター版
シーズン1~5:全話見放題配信中
シーズン6~10:1月22日から全話見放題配信
90年代に世界的なブームを巻き起こし、日本でも社会現象となったドラマ『ビバリーヒルズ 高校白書/青春白書』、通称“ビバヒル”。ミネソタから転校してきた双子のブランドンとブレンダが、カリフォルニア・ビバリーヒルズの華やかな高校生活に飛び込むところから物語は幕を開ける。
『ビバリーヒルズ高校白書』© 2026 Torand Productions Inc. All Rights Reserved.
彼らが出会うディラン、ケリー、スティーブらは裕福でありながら複雑な家庭環境を抱え、学校には格差や偏見など社会問題の縮図も存在。しかし仲間同士で支え合い、困難を乗り越えていく姿が多くの視聴者の共感を呼び、1990年に放送が始まると、その勢いは一気に全世界へ拡大。全10シーズンにわたるロングランとなった。
『ビバリーヒルズ青春白書』© 2026 Torand Productions Inc. All Rights Reserved.
その影響は計り知れず、本作なくしては『The OC』も『ゴシップガール』も生まれなかったと言われるほど。あの印象的なオープニングテーマを聴けば瞬時に映像が思い浮かぶ、まさに青春ドラマの礎にして金字塔的作品だ。『高校白書』第1話のオープニング映像はいま観ると、すべてのショットに“1990年のディテール”が詰め込まれていて興味深い。
『ビバリーヒルズ高校白書』© 2026 Torand Productions Inc. All Rights Reserved.
そんな本作のHDリマスター版が、Huluで日本初配信。すでにシーズン1~5は全話見放題配信中、シーズン6~10も1月22日から配信となる。もちろん過去にも配信サービスでの取り扱いはあったものの、権利の都合により未配信となっていたエピソードが数十話以上存在していた。しかし、今回は286話すべてのエピソードが配信されるということで、ファン待望の“完全版”鑑賞が実現した。
『ビバリーヒルズ高校白書』© 2026 Torand Productions Inc. All Rights Reserved.
なお、約20年の時を経てオリジナルキャストが再集結したことで話題を呼んだシリーズ『ビバリーヒルズ再会白書』も全話配信中だ。
『悪魔のいけにえ 4K』
1月9日(金)公開
旅行中の若者たちがテキサスの片田舎でふと立ち寄った一軒家で待ち受けていた、恐るべき殺人鬼一家。“実際に起きた事件”を基に描かれる惨劇とは……。
『悪魔のいけにえ 4Kデジタルリマスター 公開50周年記念版』©MCMLXXIV BY VORTEX,INC.
1975年、日本の観客はスクリーンに映し出された生々しい狂気に凍りついた。理屈も情けも通用しない暴力、耳を裂くチェーンソーの絶叫。それは「恐怖」という感情の原液を、観る者の脳髄に直接叩きつけるような体験――。トビー・フーパー監督の商業デビューとなった本作は、観客に「決して逃れられない絶望」というトラウマを焼き付けた。全ての恐怖の原点が、ここから始まったのだ。
『悪魔のいけにえ 4Kデジタルリマスター 公開50周年記念版』©MCMLXXIV BY VORTEX,INC.
この衝撃作は世界中の映画ファンを魅了し、「これは究極のホラー映画だ。残虐な美しさ、そして完全に生々しいエネルギーを持っている。(ギレルモ・デル・トロ)」、「私がこれまでに観た中で、最も恐ろしい映画だ。(スティーヴン・キング)」、「ゴアと切なさ、愛おしさが詰まったとてつもない映画(藤本タツキ)」と、国も世代も超えて数多くの作り手が絶賛している。
公開から50年を経てもなお、ホラー映画史の最重要作品として輝き続ける傑作が、鮮烈にスクリーンに甦る。
『悪魔のいけにえ 4K』は1月9日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開中
『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』
1月9日(金)公開
2025年1月15日、映画監督デヴィッド・リンチがこの世を去った。享年78。――1976年のデビュー作『イレイザーヘッド』以降、“カルトの帝王”として世界中の映画人と観客を魅了し続け、計り知れない影響を与えてきたリンチ監督。1周忌を迎える2026年1月、「デヴィッド・リンチ史上唯一無二の感動作」とも称される名作が、4Kリマスターで公開される。
『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』© 1999 – STUDIOCANAL / PICTURE FACTORY – Tous Droits Réservés
73歳のアルヴィン・ストレイトが、長らく仲違いしていた兄が病に倒れたことを知り、時速8kmのトラクターに乗って6週間の旅に出るが……。1994年に<ニューヨーク・タイムズ>紙に掲載された実話の記事を基に、愛すること、許すことをシンプルに描いた永遠の感動作。リンチ初の一般向けレイティング作品として公開され、世界中で大ヒットを記録した。
『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』© 1999 – STUDIOCANAL / PICTURE FACTORY – Tous Droits Réservés
さらに、ローラ・ダーン主演の衝撃作『インランド・エンパイア 4K』も同日公開。リンチ監督最後の長編映画となった本作は、公開当時から賛否を巻き起こし、現在も伝説として語り継がれている。名匠デヴィッド・リンチのジャンルも時代も超越した才能を、映画館で改めて目撃しよう。
『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』は1月9日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中
『愛と哀しみのボレロ -デジタル・リマスター版-』
『男と女』(1966年)で知られる名匠クロード・ルルーシュが、監督・製作・脚本を兼ね、1930年代から1980年代にかけてのフランス、アメリカ、ロシア、ドイツを舞台に描いた3時間超えの大作。
とある四家族は、音楽やバレエなどの芸術に勤しみながら、愛する者たちと日々暮らしていた。しかし、第二次世界大戦が勃発。それぞれが戦禍に巻き込まれ、彼らの運命は交錯していく。そして時代は1980年代まで進み、物語は戦争を生き残った者たちと、その子孫たちへと受け継がれる。時代を超え国境を超え、音楽と共に紡がれる壮大な哀しみと愛の物語――。
この壮大な群像劇の軸となる音楽は、『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』のミシェル・ルグラン、そして『ある愛の詩』や『男と女』のフランシス・レイという、フランス映画音楽界を代表する二大巨匠が担当。さらに天才バレエダンサー、ジョルジュ・ドンが舞うバレエの名作「ボレロ」は必見だ。
上映は1週間限定。時代を超えて語り継がれる傑作を映画館のスクリーン・音響で体感できる機会をお見逃しなく。
『愛と哀しみのボレロ -デジタル・リマスター版-』は1月9日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAにて1週間限定公開