2025年始にアクション映画好きのハートをむんずと握り上げた『ビーキーパー』に続き、ジェイソン・ステイサム主演、デヴィッド・エアー監督タッグの最新作『ワーキングマン』が日本のお正月を直撃。2026年早々に鑑賞した映画ファンの間で大きな話題を呼んでいる。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
今年の正月もステイサムで映画初め
今年1月2日より全国公開中の『ワーキングマン』は、ステイサム演じる主人公レヴォンが戦場上がりであることを示唆するようなオープニングで幕を開ける。しかしレヴォンは別の意味で火花が散る“建設現場”へ転職し、いまでは現場監督として作業員たちから厚い信頼を得ているようだ。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
そんな設定を秒で把握させる冒頭シークエンスからの、部下周辺の不穏の芽をこれまた秒で摘んでみせるステイサム流ホスピタリティ。さらにレヴォンの上司=建設会社の社長を演じるのがマイケル・ペーニャというベスト配役で、ワケアリの従業員たちを迎え入れるアットホームな家族経営を印象付ける。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
レヴォンにも家族はいるが事情は複雑のようで、健気な娘との交流で涙腺にジャブ。『ビーキーパー』では完全に独り者だったステイサムだが、今回は怒りに任せて突っ込めるわけじゃない、守らなければならない者がいるし、うーんどうしよう……という人間味のある逡巡もしっかり見せる。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
そんな本作の脚本を手掛けたのはシルヴェスター・スタローンで、後輩ステイサムのためにテンポよく見せ場を配置。また、気丈な娘の存在や絶妙にヌケた悪役男女コンビなんかは、同じくスタローン脚本作『バトルフロント』(2013年)に似たバイブスも。非常にオイシい役で登場するデヴィッド・ハーバーなど、贅沢なキャスティングも共通項だろうか。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
無双の中にもリアリティを盛り込んだコッテリ展開
公式のあらすじにもある通り、本作のステイサムは失踪した上司の娘ジェニーを捜し出すためひと肌脱ぐわけだが、今度の敵は規模のデカい闇ビジネスを展開しているため関係者が非常に多い。ステイサム、もといレヴォンはそれを“上の方から”当たってしまったため、結果めちゃくちゃ遠回りする羽目になり……。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
しかもステージ別に、どこかガイ・リッチー作品を思わせる個性的なキャラが続々登場。さらに相手は天井が見えない規模の犯罪フランチャイズなので、『ビーキーパー』のような爆速展開ではリアリティが保てない。なんかもったりしてるな……と感じた人の気持ちも大いに分かるが、“ひさしぶりに無化調のラーメン食べたら味がしなかった”みたいなビーキーパー症状に陥っているかもしれないので要注意だ。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
『ランボー ラスト・ブラッド』(2019年)を想起させるスタローンの脚本はコッテリ丁寧で、そこにエアー監督の生真面目さとちょっとした遊び心が加わったことで、正直あと20分くらい端折れたのではと思わなくもない部分はある。しかしステイサム映画のファンが見たいものを見せてくれるという意味で文句なしだし、ジェイソン・フレミングなどベテラン勢の贅沢使いもスタローン×ステイサム×エアー監督の制作陣あってのものだろう。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
ともあれ、ネット弱者を狙うオンライン詐欺への怒りをぶつけた『ビーキーパー』と同じく、悪人たちに吐いた唾を強引に飲み込ませるスカッと展開はお正月鑑賞に最適。ちなみにドロップキック・マーフィーズやDJシャドウなどBGMもグッドチョイスなので、そのあたりを踏まえつつ二度、三度鑑賞してみてはいかがだろう。
『ワーキングマン』© 2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED
『ワーキングマン』は新宿バルト9ほか全国公開中
『ワーキングマン』
元特殊部隊員のレヴォン・ケイド(ジェイソン・ステイサム)は、
危険な世界から身を引き、
現場監督として安全第一をモットーに働いていた。
レヴォンは平穏な生活を送り、
娘の良き父親になりたいと願っていたが、
恩人である建設会社の上司の娘ジェニーが失踪してしまう。
レヴォンは行方不明のジェニーを捜索するうちに、
人身売買を生業とする巨大な犯罪組織の存在を突き止め、
封印していた特殊部隊のスキルを発動し、
熾烈な戦いへと身を投じていくー。
監督:デヴィッド・エアー 脚本:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・エアー
出演:ジェイソン・ステイサム、デヴィッド・ハーバー、マイケル・ペーニャ、ジェイソン・フレミング、メラーブ・ニニッゼ、マクシミリアン・オシンスキー
| 制作年: | 2025 |
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2026年1月2日(金)より新宿バルト9ほか全国公開中