『ウィキッド』で個性爆発のボーウェン・ヤンって何者?
ミュージカル映画『ウィキッド』シリーズに出演中、いまアメリカのエンタメ界で最も勢いのある“アジア系スター”のひとり、ボーウェン・ヤンをご存知だろうか。
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ボーウェンは1990年にオーストラリア・ブリスベンで生まれ、幼少期にカナダへ移住。その後アメリカに渡り、ニューヨーク大学で学んだのちにコメディの世界へ飛び込んだ。
ミレニアル世代らしく、ネット動画やポッドキャストからキャリアをスタートしたボーウェン。とくにマット・ロジャースと一緒に2016年から始めたポッドキャスト番組<Las Culturistas>は、私生活からカルチャーまで軽妙に語るスタイルが人気を呼び、ヤンの名前を一気に広めた。
「サタデー・ナイト・ライブ」で大活躍&歴史的快挙連発
そんな彼の転機になったのが、2018年から参加したNBCの看板コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」。最初はライターとして採用されたが、翌年には準キャストに昇格。SNL史上初の中国系アメリカ人キャストとして注目を集めた。
番組ではクセの強いキャラクターや、クィアネスを自然に取り入れた演技が高く評価され、2021年にはSNL準キャストとして初めてエミー賞コメディ部門の助演男優賞にノミネート。現在までに5度ノミネートされるという歴史的な快挙を達成している。
2025年、シーズン8の途中でSNLを卒業。『ウィキッド』でも共演しているアリアナ・グランデがホストを務めたラスト出演回はボーウェンが大フィーチャーされ、多くの視聴者の笑いと涙を誘った。
ボーウェンはSNLと並行して、ドラマや映画で存在感を発揮。『The Other Two / ジ・アザー・トゥー』などコメディ作品に加え、同じく中国系のオークワフィナ主演の『Awkwafina Is Nora from Queens(原題)』では準レギュラーとして出演した。
ミュージカル映画『ウィキッド』に大抜擢!
そんなボーウェンの近年のハイライトといえば、やはり『ウィキッド』シリーズへの出演だろう。2025年3月に日本公開された『ウィキッド ふたりの魔女』に、アリアナ演じる主人公グリンダの大学時代の友人ファニー役で出演。シンシア・エリヴォら人気俳優たちと肩を並べるキャスティングで、「あのアジア系キャストは誰?」と世界中で注目を集めた。
ボーウェン本人も『ウィキッド』への出演には強い思い入れがあるようで、SNLの仲間たちと一緒に完成版を観たことを語っている。コメディの鋭さに文化的背景、そしてクィアのアイデンティティを自然に作品へ織り込むスタイルは、ステレオタイプな“面白いアジア人”以上の存在として世界に認知させた。日本でも『ウィキッド』シリーズのヒットをきっかけに、ますます知名度を上げていくはずだ。
『ウィキッド 永遠の約束』は2026年3月6日(金)より全国公開