話題の俳優ルーアリ・モリカ、小説家とセックスワークの狭間で揺れる美青年を大胆に熱演!『SEBASTIAN セバスチャン』
『SEBASTIAN セバスチャン』© Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
「サンダンス映画祭」でセンセーショナルな話題を集めた、フィンランド出身の新人監督による問題作『SEBASTIANセバスチャン』が、2026年1月9日(金)より公開される。このたび、主演ルーアリ・モリカからビデオメッセージが到着した。
セックスワーカーたちの新しい価値観にフォーカス
小説家とセックスワークの狭間で漂流する、青年の体温。ロンドンに住み、将来を嘱望されている若い作家志望のマックス。彼はデビュー作となる長編小説をリアルなものとするために、“セバスチャン” という名前で男性相手のセックスワークの世界に足を踏み入れる。職業を通して体験する未知の世界。様々なクライアントと接していく内に、マックスとセバスチャンの境界線を次第に見失っていく…。
本作の監督、ミッコ・マケラはフィンランド出身の新人監督で、アメリカ最大のインディーズ映画サイト「インディワイア」が、<注目のLGBTQ 映画監督ベスト25>に選んだ逸材。モーリス・ピアラ、シルリ・コラール、フランソワ・オゾン、オリヴィエ・アサイヤスなどヌーヴェルヴァーグ以降のフランス映画に影響を受けた彼は、本作でもポストヌーヴェルヴァーグの世界観を投影している。今回の題材を選んだ理由として、「2010 年頃からロンドンではセックスワークに従事する若者たちが、主体的にその職業についていることを知った。生活苦や能力の問題で仕事を選んでいる訳ではない。そこが同じカテゴリーの他の作品と違う新しい視点なんだ」と語っている。
主人公マックスを演じるのは、スコットランドとイタリアをルーツに持つルーアリ・モルカ。人目を惹く美しい容姿とナイーブな内面を持つ主人公マックスを、繊細かつリアルに演じている。
彼はポール・ベタニー演じるヴィジョンがメインキャラクターとなるマーヴェル最新作『ヴィジョンクエスト』のトミー・シェパード/スピード役に大抜擢されたほか、ロンドン・ウエストエンドの舞台「クラークストーン」の演技で、ワッツオンステージアワーズ最優秀プロフェッショナルデビューパフォーマンス賞候補になるなど、演技派のアップカミングスターとしていま最も注目されている俳優の一人。本作の演技でもフィンランドのユッシ賞やブリティッシュインデペンデントフィルムアワーズなどで新人俳優賞部門の候補に選ばれた。
こんにちは!
私はルーアリ・モリカです。
『SEBASTIAN セバスチャン』でマックスを演じています。
『SEBASTIAN セバスチャン』は、若い作家志望の青年が主人公の映画です。
彼はデビュー小説の取材のため、ロンドンでセックスワーカーとして秘密の二重生活を送ります。
この作品を撮影できた時間は本当に素晴らしいものでした。
あなたに楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回そちらに伺えず、とても残念です。
私はずっと日本に行ってみたいと思っていましたので、いつか必ず伺いたいと思っています。
とにかく、この映画を楽しんでいただければ幸いです。
ありがとうございます!
(ルーアリ・モリカ)
『SEBASTIAN セバスチャン』© Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
<コメント>
望月もちぎ(作家・ライター)
書くために生きるんじゃなく、生きるために書く。
書いているから救われて、生きられる。
あらゆるものが自己満足のためで。
仕事も、人との繋がりも、セックスも、全部自分が生きるためにあって、自分の生の後にあるものだと思える映画でした。
青山薫(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)
「ほんとうの自分」とは誰か ─ 相手によって変わる。
「ほんとうのセックスワーク」とは何か ─ 見方によって変わる。
だから、あなた自身の性と愛と金と仕事の考え方を映す映画。
今年の大人の1本におススメです。
ヒグチユウコ(画家)
作品を生み出すためのための行動はリアリティを増すことができるのか?
どうなんだろう。
しかし、不思議とこの映画の中の描写は妙に納得されるところもある。
生々しいシーンが多いも関わらず主演俳優の存在感と妙な清潔感がとても印象的。
岩井志麻子(小説家)
夢想と冒険を結びつけられる人は、小説家には向いているが男娼には向いてない。
男娼には何より慎重さが要る。
よしひろまさみち(映画ライター)
超新星ルーアリの圧倒的美と生々しくもリアルなクライアントとの交流。
揺れ動く心象風景の捉え方はお見事。
児玉美月(映画執筆家)
この映画の主人公である作家は自身の創作について悲劇にはしたくないと信念を持っているが、それが『SEBASTIANセバスチャン』のクィア映画としての在り方そのものを決定づけている。
真魚八重子(映画評論家)
主人公の執筆する小説が現実と並走し、いつしか文学の方が彼の生気を奪い去っていく。
書く行為は魔物だ。
『SEBASTIAN セバスチャン』© Sebastian Film and The British Film Institute 2024 / ReallyLikeFilms
『SEBASTIAN セバスチャン』は2026年1月9日(金)よりシネマート新宿、シアター・イメージフォーラム、テアトル梅田ほかにて全国公開