19歳女子大生が死の直前に投稿したTikTok「悪魔トレンド」とは? AIの“残酷回答”に広がる不安

19歳女子大生が死の直前に投稿したTikTok「悪魔トレンド」とは? AIの“残酷回答”に広がる不安
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大学生の死因はTikTokトレンドへの参加か

米テキサス州のライス大学で12月7日、同大学2年生で元女子サッカー選手のクレア・トレイシーさん(19)がオフキャンパスの自宅で死亡しているのが発見された。地元検視当局によれば、死因は「ヘリウムガスによる窒息」で、自殺と断定された。

トレイシーさんの死は大学コミュニティに大きな衝撃を与えたが、彼女が“死の前日”に自身のTikTokで投稿した「悪魔トレンド(※意訳)」の動画が注目を集めている。

「悪魔トレンド」とは?AIや友人に“最も残酷な真実”を語らせる危険な遊び

複数の報道によると、この悪魔トレンド(ChatGPT Devil Trend)はTikTokで拡散したフォーマットで、次のような手順で行われるという。

1. 投稿者が「The devil couldn’t reach me(悪魔は私に届かなかった)」と宣言する。
2. 相手(友人またはAIチャットボット)が「He did(届いた)」と返す。
3. 投稿者が「How?(どうやって?)」と尋ねる。
4. 相手が、投稿者の弱点・不安・精神的痛みを“残酷なほど正直に”指摘する。

AIを使用する場合、返答は長文で内省的になりやすく、精神的に脆いユーザーに強い影響を与える可能性が指摘されている。トレイシーさんは死亡の前日に、「my version of the devil trend(私版のデビルトレンド)」と題した動画を投稿。そこにはAIとのチャット画面が映されており、AIは彼女に対し抽象的だが自己破壊的な内省を突きつけていたようだ。

 

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AIの濫用をめぐる社会的議論、SNSトレンドが若者のメンタルに与える影響

過去にもTikTokで「完全な絶望と無感覚の間を行き来している」と投稿するなど、精神的な苦悩を示していたというトレイシーさん。また、サッカー部を1年で退部したことや、「popular loner(人気者の孤独)」と自称していたことなども報じられている。
トレイシーさんの死をめぐっては、死亡前日にAIチャットボットとのやり取りを投稿していたことから議論が起きており、別の自殺事例ではAI企業が訴訟に直面したケースも報じられている。SNSのトレンドやAIとの対話が若者のメンタルヘルスにどのような影響を与えうるのか、大学や専門家はより慎重な議論の必要性を指摘している。

SNSやAIの問題点を突くドキュメンタリー

『ダンスは悪魔のために:Tik Tokカルト7Mの実態』(Netflix)

TikTokダンサーたちが、教会とその運営するマネジメント会社に所属。次第に、教会創設者にまつわるおぞましい真実と、この組織を取り巻く深い闇が露呈していく。

『AIに潜む偏見:人工知能における公平とは』

MITメディア・ラボのジョイ・ブオラムウィーニが暴き出した顔認識技術の問題点。現代社会の基盤であるアルゴリズムに潜む偏見を検証するドキュメンタリー。

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