元グーグルの帝王と若き起業家の泥沼劇
かつてシリコンバレーの頂点に君臨した79歳のエリック・シュミット元CEOを、31歳の起業家ミシェル・リッターが告発したことが大きな話題を呼んでいる。
かつて二人は「恋人(愛人?)兼ビジネスパートナー」として親密な関係にあり、巨額の投資を行っていたことが何度も報じられてきた。しかし今や、その“パワーカップル”な関係は裁判所での激しい対立へと変貌しているようだ。
「きみも楽しんでいたはず」…盗撮や監視行為も
リッター氏は裁判所に提出した文書で、シュミット氏から複数のシチュエーションで性的暴行を受けたと主張している。さらに、彼が「君はそれを楽しんでいた」と説得しようとしたとも証言。この発言は事件の深刻さ、異常性を一層際立たせている。
またリッター氏は、自身のメールやGoogle Workspaceのデータが「改ざん・削除される様子を目撃した」と述べており、シュミット氏が「Google内部にバックドアを作り、誰のアカウントにもアクセスできる」と豪語していたとも証言。さらに「隠しカメラによる盗撮」や「不気味な監視行為」があったと訴えている
ビジネスのアイデアも奪われた? 舞台は法廷へ
さらにリッター氏は、自身のスタートアップのアイデアをシュミットに紹介したところ、それを盗用されたと主張。恋愛関係とビジネス関係が絡み合い、訴訟は「性的暴行」「監視」「事業窃取」と多岐にわたっている。
現在、ロサンゼルスの裁判所に複数の訴訟が提起されており、リッター氏側は「性的暴行・嫌がらせ・盗撮・データ操作」を列挙。一方、シュミット氏側の弁護士は「虚偽で中傷的な主張」として全面否定。両者の主張は真っ向から対立している。
米国内で政治的な波紋も
シュミット氏は米民主党の大口支援者としても知られ、オバマ、クリントン、バイデン政権に近い存在だった。そのため共和党議員らは「Google利用者データへの不正アクセス疑惑」を問題視しており、調査を要求。個人的スキャンダルが政治的火種にまで広がっている。
今回の告発は審理中であり、裁判所の判断はまだ下されていない。シュミット氏は「虚偽の告発」として争う姿勢を崩さず、事件は今後も注目を集め続けるだろう。かつての「帝王」と若き起業家の関係は、愛とビジネスの蜜月から一転、ゴシップ誌の見出しを飾る泥沼劇へと変わってしまったようだ。
歴史的な告発やテック企業を取り上げたドキュメンタリー作品
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