福士蒼汰&福原遥W主演、スピッツによる楽曲「楓(かえで)」を原案にした映画『楓』が、12月19日(金)より公開される。このたび、劇中歌「楓」のカバーアーティスト第一弾が十明に決定、フィーチャレット映像と共に、透き通る歌声が初解禁となった。
スピッツの名曲「楓」から誕生したラブストーリー
時代を超えて愛される国民的バンド・スピッツの楽曲が、デビュー34年にして初の映画化。「楓」は、1998年にリリースされた8thアルバム『フェイクファー』の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされ、その後数多くのアーティストにカバーされながら、27年経った今も愛され続ける名曲。ボーカルで作詞・作曲も担当する草野マサムネが綴る歌詞と心揺さぶるメロディーは、聴く人それぞれに寄り添い、大切な人との別れや想い出を包み込む。
本作で監督を務めるのは、多様な恋愛映画を手がけてきた行定勲。『世界の中心で、愛をさけぶ』に続く令和を代表するラブストーリーに挑む。そして、オリジナルストーリーを書き上げたのは、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などジャンル問わず常に評価される脚本家・髙橋泉。そして音楽は、藤井風など様々なアーティストの作曲や編曲、プロデュースを務め、優れた楽曲をCM・映画・ドラマなど多方面に提供するYaffleが担当する。
スピッツの名曲「楓」を原案に、双子の弟・恵を失くした涼(福士蒼汰)と、亡くなった恵の恋人・亜子(福原遥)が辿る切なすぎる運命の恋を描き出す本作。スピッツの楽曲が初めて映画化されることや、福士蒼汰、福原遥をはじめとする豪華キャストの出演発表によって注目を集め、さらには先日スピッツの草野マサムネから映画へのコメントも寄せられ、大きな話題を呼んでいる。
今回、映画を彩る様々な「楓」のうちの一つ、劇中歌としてスピッツの「楓」が複数のアーティストによりカバーされることが明らかに。カバーアーティスト第一弾に、シンガーソングライター・十明(とあか)の参加が発表となった。十明はTikTokに投稿した弾き語り動画をきっかけに、人気ロックバンド・RADWIMPSの野田洋次郎に見出され、彼らが音楽を手がけた映画『すずめの戸締まり』(22)の主題歌「すずめ feat.十明」のボーカリストとして参加し、大きな注目を集めた。その後も、映画『違国日記』(24)のインスパイアソング「夜明けのあなたへ」や、10月6日より放送中のフジテレビ系月9ドラマ「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」の主題歌に書き下ろしの新曲「GRAY」が決定するなど、話題作とのタイアップが続く、今最も注目のアーティストの一人だ。物語に寄り添いながら、日常に渦巻く感情を繊細に描き出す彼女の音楽は、多くのクリエイターやリスナーから厚い支持を集めている。
十明が「楓」を透明感あふれる歌声で披露する様子を収めた、フィーチャレット映像が公開された。公開された映像は、十明によるカバー楽曲を、楓の花言葉でもある“美しい変化”をヒントに、「楓」という楽曲、そして物語と出会うことで起こる心の変化=“化学反応”というコンセプトのもと構成された。
映像冒頭では、「純粋にうれしかったし、すっごくビックリしました!」と、今回のオファーを受けた際の心境を振り返る十明。「いつもそばにいる感じがする楽曲をたくさんスピッツさんが作ってらっしゃって、自分の年齢や経験に合わせて重ねる部分が変わってくるのが素敵だなって思います」と、「楓」という楽曲への深い想いを語りながら、行定監督と真剣な表情で打合せをしたり、レコーディングに臨む様子など、前半は等身大な彼女の姿が映し出されている。
映像後半では、まっすぐな表情で十明が歌う透明感に満ちた「楓」のメロディーに呼応するように、劇中の切なさが滲む印象的なシーンが次々と重なる。特に、今回映像内でフォーカスされるのは、福原遥演じる亡くなった恵の恋人・亜子の様々な表情。恋人の恵を失くしたショックで混乱し、目の前に現れた兄の涼を恵だと思い込んでしまう亜子。病室で不安そうな表情の亜子や、泣きながら涼(福士蒼汰)に駆け寄る亜子、心を落ち着けるように自分の頭に手を添える亜子など、揺れ動く感情が観るものに伝わり、物語の後半で明かされる、誰にも打ち明けられない亜子の“秘密”に迫る映像となっている。また、登場人物たちの表情だけでなく、望遠鏡、カメラ、ポストカードなど本作を象徴するモチーフ、そして夜明けの海辺の空などの美しい風景が繊細に織り込まれ、物語の世界観をそっと彩る。
力強くも繊細な十明の歌声が映像と重なり合い、観る者の心に静かに寄り添いながら、美しい変化をもたらす。ラストの「この映画と出会う時。あなたの心にはどんなことが起こるだろう?」というメッセージからも、本作を通して生まれる私たちの心の化学反応を、そっと予感させる映像となっている。
十明 行定勲監督
Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
Yaffle 十明
Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
<コメント>
十明(Artist)
「楓」という作品は、かつての大切な人たちと過ごした時間を思い出させてくれました。もう二度と訪れないと分かっているはずなのに、目の前の現実と重ねてしまう。心の奥にしまったはずの幸せな思い出が溢れて出てしまう。胸が苦しくいっぱいになるけれど、悲しみも切なさも、愛おしさも全て抱きしめて、今を生きていこうと思うことができる素敵な作品でした。この映画がたくさんの人の心と重なり合いますように。
行定勲(監督)
この『楓』を撮るにあたり、映画の最後で流れるスピッツのフルコーラスへと繋がっていくように、劇中で「楓」の楽曲をリフレインさせてはどうだろうかと提案しました。それにおいては今回のカバーアーティストによる声も欠かせない存在でした。映画の中では、運命的な楽曲「楓」が流れるたびに、登場人物たちが心の奥に隠し持っていた記憶が呼び覚まされます。その中盤のクライマックスシーンの導入にふさわしい声として、十明さんに「楓」を歌っていただきました。十明さんの透明感のある声には、語りかけるように聴く人をいざなう力があります。スピッツの歌、特に『楓』には“生と死の境界線” にあるような感覚が宿っていると感じています。本作で描いているのは現世を生きている人たちの姿ですが、どこか魂の目線から見つめているようでもあり、生と死、現と彼方が表裏一体になっています。十明さんがまっすぐに「楓」を歌う姿は、まるでその境界に立って歌っているかのようで、作品の世界観に深く寄り添ってくれたと感じています。
Yaffle(音楽)
この楽曲の構造的な強度がまた違った角度で伝わるように簡素で冗長性が高いものになるように意識しました。十明さんの陰を帯びた清廉な歌声が慈愛のように曲全体を優しく包んでくれています。レコーディング中もどんどん感覚を掴んでいったようでとても素晴らしかったです。
『楓』Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会