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“まるでストリップ”な泥レスに悔し涙!全女のレスラーも出演?プロレス映画の名作『カリフォルニア・ドールズ』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
“まるでストリップ”な泥レスに悔し涙!全女のレスラーも出演?プロレス映画の名作『カリフォルニア・ドールズ』
『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

名匠アルドリッチの遺作『カリフォルニア・ドールズ』

唐突だが、日系アメリカ人俳優のクライド・クサツについて、三船敏郎と共演した『ミッドウェイ』(1976年)やハワイを舞台にした80年代のドラマ『ハワイ5-0』『私立探偵マグナム』を代表作に挙げる人は多いだろう。しかし、ある一定の世代の映画ファンならば、迷わず<クライド・ヤマシト>役を挙げるはずだ。

クサツ氏がヤマシト役を演じたのは、『特攻大作戦 』(1967年)や『北国の帝王』(1973年)、『ロンゲスト・ヤード』(1974年)などで知られる名匠ロバート・アルドリッチの遺作、『カリフォルニア・ドールズ』(1981年)。男くさい骨太なアクション劇を得意としていたアルドリッチ監督が、女子プロレスの世界を舞台に描いたロードムービー風味のあるスポーツドラマである。

『カリフォルニア・ドールズ』© & TM 1981 Metro-Goldwyn-Mayer Inc. All Rights reserved.

黒髪のアイリスと金髪のモリーの女子プロレスラー・コンビ〈カリフォルニア・ドールズ〉は、マネージャーのハリーと共にドサ周りの日々。金のために泥レスをやらされたり、レフェリーの不正で負けたり。それでも徐々に人気と実力をつけたドールズは、ビッグマッチへの出場機会を得るが……。

『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

全女のレスラーが出演! いま観ても燃えるスポーツドラマ

『カリフォルニア・ドールズ』は2010年代に入ってソフト化されるまでは鑑賞が困難だったこともあり、動画サブスクが浸透する以前は定期的にミニシアター等で再上映されていた。たとえば〈boid〉主催の爆音上映企画や下高井戸シネマで初めて鑑賞した、という人もいるだろう。

多くの日本人にとっては、60年代から00年代まで続いた人気ドラマ『刑事コロンボ』のピーター・フォークが主演していることが鑑賞のきっかけになったかもしれない。実際、本作におけるフォークの演技はキャリア最高と評価する声もあるが、もちろんドサ回りに奮闘する女子プロ選手たちこそが大きな見所である。

『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

金欠にあえぎ口論を繰り返しつつ、巡業先でも揉めごと三昧のハリーとカリフォルニア・ドールズの2人。そのアイリス&モリーを演じたヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンは全てのシーンをスタントなしで演じたそうで、本格的なトレーニングを受けて撮影に挑んだだけあって試合シーンは迫力満点。とくにランドンは足を骨折した状態でも撮影を続行したというから驚きだ。

『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

また、劇中でドールズと対戦するコンビ〈GEISHA〉を演じたのは、全日本女子プロレスに所属していたミミ萩原とジャンボ堀。序盤ながら最も燃える試合シーンなのだが、その二人のマネージャー(?)として登場するのが冒頭で紹介したクライド・クサツで、彼の名刺には「芸者を代表して 支配人/プロモーター:クライド・ヤマシト 日本国 東京」と日本語で書かれている(なぜか手書き風)。ちなみにアルドリッチ監督の死去により幻に終わった続編は日本が舞台になる予定で、ヤマシト&芸者はその伏線でもあったようだ。

『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

足下を見られてギャラを値切られたり、ストリップまがいの泥レスリングで見世物にされたりと、本作では当時の女子プロのひどい扱いについても描かれる。物語の展開にはスポ根的にベタな部分はあるものの、それでも最後にはジーンとさせられてしまう、不思議な魅力のある作品だ。

『カリフォルニア・ドールズ』© 1981 by Metro-Goldwyn-Mayer Film Co. and SLM Entertainment Ltd. All Rights In This Motion Picture Reserved Under International Conventions

『カリフォルニア・ドールズ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年10月放送

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