徹底された研究とこだわりで、“エイリアン”シリーズの美学を踏襲『エイリアン:アース』衣装・ヘアメイクデザインの舞台裏
巨匠リドリー・スコット製作総指揮による、シリーズ初となる待望のドラマシリーズ『エイリアン:アース』が、Disney+(ディズニープラス)にて独占配信中だ。このたび、細部まで作り込まれた本作のコスチュームへのこだわりに迫った特別映像が解禁となった。
「エイリアン」初のドラマシリーズ
リドリー・スコットが生み出した恐怖の原点にして頂点ともいえる『エイリアン』(79)。そこから始まった、「エイリアン」シリーズでは、宇宙船や惑星を舞台にした人類と宇宙最恐の生命体“エイリアン”との壮絶な戦いが描かれてきた。寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する宇宙最恐の生命体“エイリアン”は、その不気味なデザインから、映画史上もっとも恐ろしく独創的なクリーチャーと評されるなど、世界を魅了。主演のシガーニー・ウィーバーら名優たちによる閉鎖された宇宙空間での凄絶な死闘が話題を呼び、「第52回アカデミー」視覚効果賞をはじめ数々の賞を受賞したレジェンド的作品。
本作の舞台は、シリーズ1作目『エイリアン』の2年前である2120年の地球、世界はプロディジー、ウェイランド・ユタニ、リンチ、ダイナミック、スレッショルドという5つの大企業によって統治されていた。そんな中、ウェイランド・ユタニ社の宇宙船が地球に墜落し、人類は宇宙最恐の生命体と対峙することとなる—。
本作は、第1話・第2話の同時配信開始から6日間で、世界において延べ総視聴が920万回を記録。(視聴数は総再生時間と作品時間の比率に基づく)そして、米批評家サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家スコア95%フレッシュという驚異的なスコアを獲得した。(※9月17日時点)これは、「エイリアン」シリーズの中でも長らくNo.1だった『エイリアン2』の94%フレッシュというスコアを上回り、シリーズ最高となる高評価を獲得し大きな話題となっている。
「専門家になれるくらい世界観を研究」
「エイリアン」1作目が公開されたのは、1979年。そこを原点に巨大なフランチャイズへと成長を遂げた「エイリアン」シリーズだが、本作『エイリアン:アース』は、1作目で描かれた世界の2年前、2120年を舞台とした物語。映像では、オリジナルの良さを失わないようにスタッフ、キャスト全員が徹底的なこだわりを持ち、どのように世界観を作り上げたか衣装の視点から掘り下げている。
監督、脚本などをつとめたノア・ホーリーが「肝心なのは映画シリーズの美学を損なわないこと」と語るように、エイリアンの世界観を壊さないよう、劇中に登場するウェイランド・ユタニ社の宇宙船の様子や乗組員たちの衣装に至るまで、徹底した研究によって作り上げられた。その労力は「8話構成のドラマだけど、映画を8本撮った感覚だった」と、並々ならぬ気合の入りようだった。
『エイリアン:アース』© 2025 Disney and its related entities
『エイリアン:アース』© 2025 Disney and its related entities
そして、本作の衣装デザインを務める、スティラット・アン・ラーラーブはロンドン五輪の開幕式の衣装デザインを担当したことでも知られ、「専門家になれるくらい世界観を研究し尽くして 可能な限りリアルな衣装をデザインした」、「プロディジー・シティにはレトロフューチャーの要素を加えた。映画の第1作と第2作とドラマを同期させるためよ」と、あくまでもシリーズ作品の中で本作を違和感なく視聴できるように徹底した信念のもとで制作が進められた。本作に出演するキャストも、そんなスティラットのキャラクター性まで考え抜かれた衣装デザインを絶賛し、無くてはならない要素になったようだ。
さらに、メイクを担当したコニー・リン・パーカー、ヘアーを担当したサンナ・セッパネンは「それぞれの役に合ったヘアメイクを練り上げた」とこだわりを明かす。そして、シドニー・チャンドラー演じる主人公ウェンディについて、「ウェンディはシガーニー(・ウィーバー)を意識して、内面の強さが際立つクリーンなメイクにした」と、「エイリアン」シリーズの象徴ともいえるシガーニー演じるリプリーをイメージして、ウェンディを作り上げたと映画シリーズへのリスペクトを語った。
『エイリアン:アース』© 2025 Disney and its related entities
『エイリアン:アース』© 2025 Disney and its related entities
衣装、ヘアメイクチーム共に、特にこだわりを見せるのは、物語の1つのテーマでもある「人間と機械の境界線」。曖昧な境界線をシャツの袖や裾を使い印象的に描いたり、人間の体の一部が機械化された存在であるサイボーグであるモローは汗をかき、機械の体に人工知能が埋め込まれたシンセ(アンドロイド)であるカーシュは涼しい顔をしているなど、スタッフの力によって“人間”、“アンドロイド”、“シンセ”、“ハイブリッド”という個性をより引き立てられていることが感じられる。
スティラットは、「本作は人間をしっかり描くので恐怖が共鳴して増幅する。もちろん見た目は大事だけど、登場人物たちの行動の先にあるのが衣装よ。」と衣装デザインとしての矜持を語り、「細部にこだわるノアだからこそ、衣装の背景にある物語を伝え突き詰めることができた」とノアを筆頭にしたチームへ賛辞を送り、本作への自信をのぞかせた。
シリーズ最終話に向け、物語の展開がさらに加速する『エイリアン:アース』。「エイリアン」1作目の徹底した研究によるオマージュの数々と、本作ならではの8話構成で描かれるキャラクター達による深い人間ドラマに注目だ。地球を舞台に繰り広げられる、宇宙最強にして最恐の生命体“エイリアン”と人類の死闘——。これまでの「エイリアン」シリーズで描かれてきた形態とは異なる“5種の生命体”から、人類は地球を守ることができるのか——。
『エイリアン:アース』© 2025 Disney and its related entities
『エイリアン:アース』(全8話)はディズニープラスにて独占配信中(毎週水曜日:新着エピソード配信)