「すべてを話す必要はない」「信頼しきっている」謎めいた“スパイ同士”の夫婦生活とは?『ブラックバッグ』インタビュー映像
「オーシャンズ」シリーズほか数々のヒット作を手掛け、アカデミー賞監督賞受賞の実績を誇るスティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作『ブラックバッグ』が、9月26日(金)より公開される。このたび、ケイト・ブランシェットのインタビュー映像が解禁となった。
5つの疑惑、4つのウソ、容疑者は妻
脚本を手掛けたのは、『ミッション:インポッシブル』(96)、最新作『ジュラシック・ワールド 復活の大地』(絶賛公開中)など多くのブロックバスター作品を送り出してきた名手デヴィッド・コープ。加えて、ポーカーフェイスのエリート諜報員ジョージに『SHAME-シェイム-』(11)、『それでも夜は明ける』(13)などのアカデミー賞ノミネート俳優マイケル・ファスベンダー、その魅惑と疑惑の愛妻キャスリンにオスカー2回の受賞を誇る名優ケイト・ブランシェットを迎え、エリート諜報員vs二重スパイの巧妙に練られた頭脳戦が展開する。複雑に仕掛けられた罠とウソの応酬を制するのは一体誰だ?ヒリつく緊迫感にエレガントな色香が漂う一級ミステリーサスペンスに、あなたの考察力が試される。
英国の国家サイバーセキュリティセンター「NCSC」のエリート謀報員ジョージに課せられた極秘任務<ブラックバッグ>は、国家を揺るがす不正プログラム“セヴェルス”を盗み出した組織内部の裏切者を見つけ出すこと。その容疑者は5名。NCSCの同僚で友人でもある4名に加え、5人目はジョージの愛妻でNCSCで最も有能な諜報員キャスリンだった。ミッションのタイムリミットは1週間。妻が国家を裏切った容疑をかけられ、ジョージは結婚生活への忠誠と祖国への忠誠の板挟みになるという究極の試練に直面する—。
脚本について聞かれたブランシェットは、ヒットメーカー、デヴィッド・コープに対し、「見事な脚本よ。観客を物語に引き込み、思いがけない展開で予想を裏切るの。想像以上に満足できる結末を用意する。それがデヴィッド・コープよ」と絶賛する。さらに「キャラクターも面白いし、あんな形で成り立つ夫婦は見たことがない」と語り、謎めいた夫婦像こそ本作の大きな魅力だと強調。共演がマイケル・ファスベンダーだと知った瞬間、「脚本を読みながら、容易に大事な場面を想像できた」と期待を膨らませたという。
自身が演じるキャスリンについては、「ものすごく冷静沈着で、人を見抜く洞察力を持つ女性。容赦がなく、人に頼ることもしない。でも結婚生活だけは神聖で大切なものだった」と語り、その二面性を明かす。「私が脚本で一番気に入ったのは、キャスリンが容疑者であること。謎を秘めていると同時に、もう少しで正体が分かりそうと思わせる存在なの」——まさに観客を惹きつけてやまない人物像だ。
夫婦関係についても「お互いがお互いの安らぎの場なの。緊張感のある仕事の中で、深い信頼で結ばれている。すべてを話す必要はない。信頼しきっているからこそ、詳細まで知る必要はないの」と明言。スパイであるがゆえに“言わなくていい”秘密が夫婦の絆を逆に強めていることを示唆した。撮影現場での夫婦シーンについては「長回しが多くて、撮影はまるでダンスのよう。配置は複雑だったけど、カメラと踊るように演じられた」と振り返り、映像表現そのものが二人の親密さを映し出す仕掛けになっていたと明かした。
そして物語の鍵となる“ブラックバッグ”について「昔ながらのお医者さんの鞄と同じ。何が入っているかは誰も聞けない。閉ざされたら最後、秘密は漏れない。たとえ夫であっても中身を知ることは許されないの」と断言。「むしろ自分でも中身を忘れるべき」とも語り、“ブラックバッグ“はスパイの宿命を象徴しているキーワードだと語った。
ケイト・ブランシェットが口にする数々の言葉から浮かび上がるのは、“秘密を抱えた夫婦”の物語が持つスリルと親密さ。予想を裏切る展開と、彼女の圧倒的な存在感が、観客をスクリーンへと引きずり込む。複雑に仕組まれた嘘と妻への疑心に揺れる、究極の試練に直面したジョージの真意とは?
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『ブラックバッグ』は9月26日(金)より全国ロードショー