「難攻不落と言われた金庫から推定最大5億ドルのダイヤモンドが消失!」
2003年にベルギーのアントワープで実際に発生した史上最大級のダイヤモンド強盗事件の真相を追ったドキュメンタリー、『ハイスト・オブ・センチュリー: 世紀のダイヤ金庫破り』がNetflixで独占配信中です。
何重にも張り巡らされた最新鋭のセキュリティシステムを突破し、地下金庫からダイヤモンド、宝飾品、現金、貴金属を盗み出したという、事件から20年以上が経過した今でも多くの謎が残されている「世紀の強盗」事件の真相が明かされるのか。ぜひチェックしたいドキュメンタリーです。
このように、現実でも時折起こる大胆で知的な犯罪は、古くから様々な創作物の格好の題材となってきました。スタイリッシュな手口、豪華な舞台設定、そして魅力的なキャラクター。これらの要素が組み合わさった“怪盗”映画は、観る者を非日常の世界へと誘います。そこで今回は、「華麗」で「ゴージャス」な怪盗映画5選を紹介します。
観客を「アッ」と言わせる華麗な手口
『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999年)
監督:ジョン・マクティアナン
主演:ピアース・ブロスナン、レネ・ルッソ、デニス・リアリー ほか
【あらすじ】
ニューヨークの大富豪トーマス・クラウンは、実は道楽で密かに名画を盗む怪盗紳士。ある日も美術館から、華麗な手口でモネの名画を盗み出す。事件を担当することになった保険調査員のキャサリンは、クラウンが犯人だと確信するが証拠を掴むことができない。やがて二人の間には、駆け引きを超えた感情が芽生え……。
【おすすめポイント】
1968年のスティーブ・マックイーン主演『華麗なる賭け』をリメイクした本作。ピアース・ブロスナンが演じるトーマス・クラウンは、まさに理想的な「華麗なる怪盗」の典型で、知的で洗練され、そして危険な魅力に満ちています。レネ・ルッソ演じるキャサリンとの関係は、単なるロマンスを超えて心理戦の様相を呈し、観る者を最後まで緊張させ続けてくれる、知的で上品な大人のエンターテインメントとも言える作品です。
『オーシャンズ11』(2001年)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
主演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ ほか
【あらすじ】
凄腕の詐欺師のダニー・オーシャンは、刑務所から出所早々、仲間たちと共にラスベガス三大カジノから同時に1億6000万ドルを盗み出す前代未聞の強盗計画を立てる。ターゲットは、元妻テスと交際している冷酷なカジノ王。11人の犯罪エキスパートチームが挑む、史上最大の強盗作戦が始まる。
【おすすめポイント】
スティーブン・ソダーバーグ監督が、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモンをはじめとする豪華キャストを迎えて描いたクライムエンタテインメント。ラスベガスの煌びやかな舞台設定と、洗練されたスタイリッシュな映像にも注目です。各メンバーがそれぞれの専門技術を活かして大胆な計画を実行していく様子は、まさに「華麗なる」の名にふさわしい仕上がり。本作の大ヒットを受けてシリーズ化され、2004年には『オーシャンズ12』、2007年には『オーシャンズ13』そして2018年にはスピンオフとなる『オーシャンズ8』が製作されました。
『ミニミニ大作戦』(2003年)
監督:F・ゲイリー・グレイ
主演:マーク・ウォールバーグ、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン ほか
【あらすじ】
イタリアでの金塊強盗に成功した犯罪チームだったが、仲間の一人に裏切られ、リーダーを失ってしまう。1年後、復讐を誓ったメンバーたちは、裏切者がロサンゼルスに潜伏していることを突き止め、再び金塊を奪還する計画を立てる。今度の舞台はLA、そして秘密兵器は小さなミニクーパー。
【おすすめポイント】
1969年の同名映画を現代的なアクション映画として見事に蘇らせた本作。マーク・ウォールバーグ演じる復讐に燃える主人公、シャーリーズ・セロンの知的で美しい金庫破りの専門家など、魅力的なキャラクターたちが織りなすチームワークも見どころの一つ。そして、ロサンゼルスの地下鉄駅構内や下水道までを駆け抜けるミニクーパーの爽快なカーチェイスシーンは必見です。
『グランド・イリュージョン』(2013年)
監督:ルイ・ルテリエ
主演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン ほか
【あらすじ】
4人のスーパーマジシャンがチームを結成し、ラスベガスでマジックショーを開催。ショーの最中に、なんとパリの銀行から現金を瞬間移動させるという前代未聞のトリックを披露する。FBIとインターポールは真相を追い、次なる犯行を未然に防ぐためにトリックを解明しようと奮闘するが、彼らの手口は常に想像を超えていく。
【おすすめポイント】
マジックと強盗の融合という、ありそうでなかったコンセプトもユニークな本作。ジェシー・アイゼンバーグをはじめとする4人のキャストの息の合った演技と、実際のマジック技術を駆使した映像表現も見どころです。最後の種明かしまで予想がつかない脚本とスタイリッシュな映像美が融合した新感覚の怪盗エンターテイメントとして話題となり、2016年には続編となる『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』製作されました。
『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』(2025年)
監督:小池健
声の出演:栗田貫一、大塚明夫、浪川大輔 ほか
【あらすじ】
世界一の大泥棒ルパン三世が狙うのは、バミューダ海域に浮かぶ謎の島に隠された莫大な財宝。しかし、その秘宝を守る一族には恐るべき秘密があった。次元大介、石川五ェ門、峰不二子といういつものメンバーと共に、ルパンは史上最難関のお宝に挑む。果たして、華麗なる大泥棒は無事にお宝を手に入れることができるのか!?
【おすすめポイント】
「華麗なる怪盗」の代名詞的存在であり、その洗練された泥棒術と軽妙な人柄が世代を超えて愛され続ける、日本が世界に誇る怪盗“ルパン三世”の劇場版最新作。『LUPIN THE IIIRD』シリーズは、従来のルパン作品よりもハードボイルドで大人向けの作風となっており、現代的な映像技術と伝統的なルパンの魅力を見事に融合させた作品として反響を呼んでいます。日本のアニメーション技術の粋を集めた映像美と、モンキー・パンチ原作の不朽のキャラクターが織りなす、最新の「華麗なる大泥棒」の活躍は必見です。
「華麗なる怪盗」の多彩な魅力を感じ取っていただける5作品になったのではないでしょうか。知的な計画、巧妙なトリック、そして何より登場人物たちの魅力。これらすべてが融合した怪盗映画の世界を、ぜひお楽しみください。